4年ぶりにアルバムリリースする大韓ロックの大御所「シナウィ」 


 韓国ロックを長年にわたって支えてきた「シナウィ」が今月、8thアルバム以来4年ぶりとなる9枚目のアルバムをリリースする。

 ソウル高校2年生の時にバンドを結成、数多くのメンバーチェンジにも関わらず、「シナウィ」というバンド名を頑なに守ってきたギタリストのシン・デチョルはいつの間にか40に近い。メンバー最年少でボーカルのカン・ハンウンとは一回り違う。ソウル市・方背洞(バンベドン)のスタジオでアルバムの最終作業を行っている彼らにインタビューした。

 「私たちは初めてデビューした時、初めからヘビーメタルをやると宣言しました。以前にはなかったことです。後のミュージシャンたちに一つのジャンルだけでも認められるという前例を残したと思っています」

 相変らず長髪にタイトなジーンズをはいたシン・デチョル、もともと自我自賛をするような性格ではないが、顔を赤くしながらも「シナウィ」に対する自負心を語った。最近1~3年に加入した新しいメンバーも同じように口を揃える。ベースのイ・ギョンハンは「ファンがシナウィのことを『ロックのプライド(Rock Pride)』と言うが、違和感を覚えない」と言う。

 90年代中盤以降、オルタナティブ、サイケデリックなどのサウンドに挑んだシナウィは、今回のアルバムでもロックのあらゆるジャンルに挑戦している。

 「はじめから方向を絞らずに思いつく度に曲を書いてレコーディングしました。 アルバム全体の流れに合わないからといって曲を捨てるのが本当にもったいなかったです」

 ロック界でギター名人として知られるシン・デチョルのカリスマは有名だ。しかし、ゆっくりと話す彼の口調からは、まったくそういったものは感じられない。するとドラムのイ・ドンヨプは言う。「デチョルさんのカリスマが発揮されるのは公演の時ですよ」

 「80年代後半、シナウィと同じ時期にデビューした他のロックバンドは意識していたのか?」と聞くと、「まったく意識しませんでした。誰もシナウィに追い付くことが出来なかったからです。私だけではなく、周囲も同じように思ってくれました」と笑顔で語り、「もちろん他のグループを見下していたわけではなく、誰よりも先にやったということが効果的だったのでは?」と続けた。

 キム・ジョンソ、イム・ジェボム、ソテジ…。シナウィが生んだ韓国を代表するミュージシャンたちだ。中でもソテジについて聞くと「あまりにも頭脳明晰で新しいものに敏感でした。ソテジワアイドゥルで新しい時代を開いたんです。 そのままロックに戻らずに、新しい道を突き進めば良かったのでしょうが…。先輩として残念にも思います」

 「若者のための音楽はロックンロール以前には存在しなかったです。ロックという音楽は常に溢れる若さを代弁するものであるべきです」

 一回り年齢の違うメンバーが共に活動するシナウィのメンバー4人の共通する信条だ。

チェ・スンヒョン記者 vaidale@chosun.com
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