『大胆な家族』で笑いと感動のコメディに挑んだ俳優カム・ウソン

  カム・ウソンは正直な俳優だ。

 よく映画PRのためにインタビューを受けた俳優が作品が悪くても絶賛するが、彼はそういったことは一切しない。

 昨年公開された映画『蜘蛛の森』と『R-POINT』のインタビューの際も制作環境などに対する苦言を堂々と呈して同席したPR担当者を冷や冷やさせたのは一度や二度ではない。

 そんなカム・ウソンが今回の映画『大胆な家族』(チョ・ミョンナム監督、トゥサブフィルム制作)については「自信アリ」と即答した。

 カム・ウソンは「無理やり笑わせようとしたり、統一という素材で強引に感動を誘うといったものでもない。楽しさと感動がバランスよく融合した映画だ。

 個人的な希望でもあるが、恐らく200万人の観客動員は可能だと思う」とカム・ウソンらしからぬ強気な発言をした。

 カム・ウソンは『大胆な家族』で寝ても覚めても統一を願い、自分のすべての財産を社会に還元するという遺言を残した失郷民(北朝鮮に故郷を持つ人々)の父のために大胆な統一詐欺劇(?)を企む長男のミョンソク役を務める。

 カム・ウソンは統一詐欺劇を企てる過程を通じて以前には見られなかった滑稽な状況を連発しながら、「コミック演技の達人、金秀路(キム・スロ)よりも笑わせる」という評価を受けている。

 カム・ウソンは特別な指示がなかったにも関わらず自ら可笑しな髪型にして撮影に臨み、卓球の試合シーンではヘアピンまでして制作陣を驚かせた。また、体重を10キロや増やして「統一サーカス」のシーンで弛んだ腹の肉を見せた。


 しかし、カム・ウソンは自分のキャラクターが「単純に笑わせることとはレベルが違う」と真面目な表情で語る。

 「監督や映画会社が私をキャスティングしたのは、コミカルな雰囲気だけに流されることもできる映画全般の雰囲気を適切に保ちながら、感動も与えようという意図が込められているでしょう。こうした基本原則の下で全体的な映画の雰囲気に合わせながら役にも少しだけ楽しさを加えた」

 カム・ウソン自身も失郷民一家の一員のため、今回の映画出演は特別なものとなったと言う。

 「母の故郷が咸鏡(ハムギョン)道で、うちの家族の話を演じるようで役になりきる時間が早かった。そのせいか共演した申久(シン・グ)さんも本当の父みたいで、他の共演者も皆家族のようだった。今回の映画のように他の作品も撮影できたら、どんな映画でも好きになりそうだ」

 カム・ウソンの笑顔が6月9日の公開以降も続くか、今から期待が集まっている。

スポーツ朝鮮/シン・ナムス記者 delta@sportschosun.com
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