【単独インタビュー】「19歳、もう少女は卒業した」アジアのスターBoA

 2001年の日本デビューを皮切りに現地で4枚のアルバムをリリースして470万枚以上の販売を記録した韓流スターのBoA(19)が6月中旬、韓国で5枚目のアルバムをリリースして本格的に韓国内での活動に突入する。現在、ソウル市・鴨鴎亭洞(アックジョンドン)にあるSMエンターテインメントのスタジオでニューアルバムのレコーディングを行っているBoAは、5曲の収録を終えた。

 BoAは本紙との単独インタビューで「韓国、日本のスターでいることに落ち着かず、近い将来アジアのトップになり、アメリカ、ヨーロッパ市場でも認められる世界の歌姫になる」と語った。また「日本では既に試みたように、韓国でも可愛らしい少女歌手のイメージから脱して成熟した姿でファンに会いたい」と付け加えた。

 2000年に1stアルバム『ID;Peace B』でデビューしたBoAは、韓国と日本を往復しながら両国でトップアーティストの座につけた。BoAは2月にリリースした『BEST OF SOUL』で日本のオリコンアルバムチャート1位に輝き、女性アーティストとしては今年初めてミリオンセラーに輝いた。以下は朝鮮日報との単独インタビュー。

 全身を使ってダンスしながら無邪気な表情をしていた以前のBoAとは違って強烈な印象を受けた。6月中旬に4thアルバムの韓国リリースを控えてレコーディング中のBoAに24日、ソウル市・鴨鴎亭洞のSMエンターテインメントの事務所でインタビューした。黒の帽子を斜めに被り、ズボンスーツに白のベストを着たBoAの顔から先ず目に入ってきたものは濃い目の化粧だった。2000年に14歳でデビュー、韓日両国のトップスターになったBoAは、もう少女ではなかった。.

 「25くらいになっても頭にゴーグルを被って歌は歌えないでしょう。成熟した姿をお見せしたいです。R&Bで上質の音楽を歌いたいです。いつまでも少女でいることは出来ません」

 すでに同世代が大学に通う19歳のBoA。席に座ってインタビューが始まると、これまで大人しそうにしていたBoAが元気に話し出した。「ニューアルバムは5曲ほど収録を終えました。私が作詞した曲が何曲かありますが、その曲が認められ、いつまでも残ってくれたらと思います」

 BoAは日本でアルバム3枚とベストアルバム1枚を計470万枚以上売った。この3年間に行った約30回の公演はすべてソールドアウトになり、観客は40万人を超える。名実共に日本のトップスターになった。ブルームバーグのあるコラムニストはタイムズ誌が選ぶ『世界で最も影響力のある100人』からBoAの名前が抜けていると指摘した。

 「少女がステージの上で汗を流しながら踊って歌う姿が不思議だったのではないでしょうか。それで日本の人々の関心を集められたようです。簡単ではありませんが、私はテレビでもコンサートでも直接歌うことを原則にしています」

 若くして韓国と日本を行き来しながらステージに立つことが大変ではなかったのか?BoAは「他のアーティストとは違って半年韓国で活動した後は日本でまた半年活動しなければならないのが体力的に辛い」としながら、「それでも年に2~3日は必ず休んでいる」と語った。続けてBoAは「デビュー当初の2002年には、秋夕(チュソク、旧盆)連休の3~4日を除いてはずっと日本に滞在したが、今はそれよりはずっとまし」と明るく笑った。

 「私にとって歌は希望と存在感を与えてくれるものです。ステージで歌っている時、私自身がいるべき場所にいるんだと実感します。ベッドで長く横になっている時よりもずっと楽です」

 BoAのデビューは他の芸能人のように偶然だった。ダンスグループのオーディションを受けたSMエンターテインメントを訪れた兄に付いて行ったことがデビューのきっかけとなった。当時イ・スマン理事は兄ではなくBoAに注目して歌を歌わせ、BoAはSESの曲を披露した。この場で深い印象を残したBoAは、98年からSMエンターテインメントで約2年間のトレーニングに突入した。 放課後、平日は4~5時間、週末は7~8時間のハードなトレーニングが繰り返された。FLY TO THE SKYやチャン・ナラがBoAのトレーニング時期の同期にあたる。

 「実際にあの時が一番大変でした。私より遅くトレーニングを始めたFLY TO THE SKYやチャン・ナラさんもデビューしたのに私だけがいつまでも残っているんです。気持ちは焦っているのに体は疲れ果てて…、それでも今はあの時にピアノや中国語を学ばなかったことを後悔しています」

 子どもの頃の夢、歌手になるために学業を断念してしまったBoA、後悔することはないのか。「本当にないと思いますか?誰でも自分にないものに対して憧れるじゃないですか。私も学校に戻りたいと思う時が多いです…。だから尚更挫折はしません」

 BoAは「性格的に人と頻繁に連絡をしながらは過ごせない」と言いながらも 「3~4人の友達と映画を観たり美味しいものを食べたりして普段の生活を思いきり楽しんでいる」と語った。最近は料理が得意になり、きのこ丼や豚肉丼、ワカメスープなどを直接作って食べるという。BoAは「私の作るワカメスープは本当に一品」と自慢した。

 「芸能人の友達はいなか?」と聞くと笑った。「それが韓国での活動が終わって日本に行くと親しかった仲間とも連絡が途絶えて電話番号が変わっていたりするんです…」

 BoAは韓国と日本のファンが互いに交流する姿を見て胸がいっぱいになったという。「元々日本では10代から60代までファン層が広くて大人しかったです。ところが、日本のファンが韓国のファンと交流するようになってからは公演会場に黄色い風船や韓国語で書かれたプラカードが登場するようになりました」

 恋人がいるかも聞きたかった。BoAの反応は断固としていた。「いません」。日本の雑誌『フライデー』の報道に対しては失笑を見せた。「私にもパパラッチが付くようになりました。今は私のことも女性と見てくれるようです」と軽く受け流した。事務所の立場もBoA同様「男友だち」や「恋人」の話はまだ「タブー」 のようだ。

 韓国と日本を制覇した、このパワフルな10代の女性アーティストが次に目指すものは何であろうか?

 「アジアで一番になることです。アジアの人口をすべて足せばヨーロッパやアメリカを遥かに凌ぐでしょう。ここで一番になれたら世界のトップになるのではないのでしょうか?西洋からも注目される他ありません。

これからは中国市場で私の能力を披露するつもりです」

チェ・スンヒョン記者 vaidale@chosun.com
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