1st『五.月.之.恋』でソロデビューしたSHINHWAシン・ヘソン

　「新人バラード歌手のシン・ヘソンです」

　「僕たちはSHINHWAです」とあいさつしていたシン・ヘソン(26)が今度は「新人バラード歌手のシン・ヘソンです。よろしくお願いします」と90度腰を曲げてあいさつをした。

　シン・ヘソンはSMエンターテインメントが米ロサンゼルスで行ったオーディションを通じてメインボーカルに抜擢、1998年に6人組ボーイズ・グループSHINHWAの一員としてデビューしてから7年が経つ。今まで常にメンバーと共にステージに立ってきたシン・ヘソンは、ソロ1stアルバム『五.月.之.恋』をリリースしたが、すべてが新しくぎこちないようだ。

　レコーディングの時も同じだった。

　「7年間、SHINHWAとして活動していた時は分からなかったことを一人になってみて理解できるようになった。レコーディング後のミキシング作業にも初めて参加した。分からないことがとても多くて学びながら作業を進めた。本当にいろいろと勉強になった」

　6人が各パートを歌った曲もこれからは一人で歌わなければならない。エネルギーは6倍使うことになる。声の特性上、以前よりもバイブレーションを調節することに努めた。一人でカメラの前に立つことも、取材陣の質問に答えることもプレッシャーだ。しかし、今度のソロデビューがハードルであると同時に新たなスタートであるということを本人が最も分かっている。

　シン・ヘソンは最近、「悩みがある」と言う。「SHINHWAのメインボーカルなのにソロアルバムを出して下手だと言われそうで心配」と言うのだ。本人はもちろん、SHINHWAのイメージにまで泥を塗ってしまいかねないと心配する。SHINHWAやイ・ジフン、カンタとのプロジェクトグループ「S」として活動した時は、他の歌声との調和が最も重要だった。

　「まだ韓国ではグループで活動中にソロアルバムを出せば『一人で成功するのか』『解散間近だからソロデビューするのでは』といった先入観を持たれる。海外ではむしろソロ活動をすれば喜ばれるのだが。グループからソロデビューするのは韓国ではまだ理解され難いのが現実のようだ」

　昨年末に各種音楽賞の大賞を総なめにする経験をしたが、今回ソロアルバムのレコーディングをしながら何度もデビュー当時の初心に戻ったという。中途半端に作曲などはせず、今回は歌だけに専念した。リードトラックの『同じ考え』は既に2年前、作曲家のパク・チャンヒョンが作曲したもの。曲が気に入り、ソロアルバムに収録したいと大事に取っておいたのだ。

　シン・ヘソンは「以前に好んで聴いた多くの音楽を思い出した。015Bやイ・スンチョルさんの音楽が好きだった。それで近い音を作る作曲家に曲を依頼した。その作曲家だけが持つ独自のスタイルを自分も手にしたいと思った」と言う。

　ソロ宣言と同時に秋には日本へも進出する。シングルを出すか、アルバムを出すかなどはまだ決まっていないが、デビュー時期は秋に決定した。シン・ヘソンが心がけていることは、どこで歌っても磨き上げた歌唱力を完璧に披露するということだ。