お笑い番組出演のコメディアンら、業界の冷遇に反発


 お笑い番組『ウッチャッサ』(笑いを探す人の意)に出演中のコメディアンらは11日、「所属事務所のスマイルマニアが裏契約で我々を搾取してきた」とし、「今後、和解することはない」と宣言した。

 後輩コメディアンのキム・ジファンらに暴力を振るったキム・ジンチョルが「お笑い界では慣行的」と主張したのに対し、11日チョ・ムンシクKBS喜劇人劇会長は「暴力は異例の出来事」と反論した。

 これまでもみ消されてきたお笑い界の「奴隷契約説」と『暴力説』が表面化してきている。『ギャグコンサート』『ウッチャッサ』などで「笑い」を与えてきたコメディアンが舞台裏では「涙」していたのだ。

 現在、KBS、MBC、SBSの公開採用試験に一度でも応募したことのあるコメディアン志望生は約2000人。しかし、地上波テレビ局3社の番組に出演中のコメディアンは100人に満たない。このうちの多くは2~3年の専属契約期間を満たす前にブラウン管から消えていく。『ウッチャッサ』で人気絶頂のキム・シニョンは「最近は新人の頃よりずっと不安。次は何の仕事をやろうかと常に考えている」と言う。

 お笑い界は芸能界でも最も上下関係の厳しい所として知られ、コメディアンK氏などの後輩暴行事件は芸能界では知らない人はいないが、コメディアンらが公式的に問題視したケースはほとんどなかった。「テレビ出演のための訓練」と考えるからだ。

 しかし、実際に番組への出演を果たしても芸能人レベルの収入が保障されるわけではない。各テレビ局の基準にもよるが、1~2年目のコメディアンの平均月収は130万~150万ウォン程度。

 人気が上昇しても月給は20~30%上昇するのみ。契約料、出演料、CMモデル料などを手にする歌手やタレントとは違い、コメディアンたちはスターになっても限られたイベント以外への出演は難しい。SBSの某ディレクターは「コメディアンは笑わせる人というイメージのために、消費者の購買欲を刺激するCM本来の目的とは距離がかけ離れている」と話す。

 彼らが作り出す多くの流行語もやはり、収入とはほとんど無関係だ。ラジオCMの場合、企業は流行語を作ったコメディアンではなく、声優などに彼らのギャグを真似させてCMを制作する。苦労を重ねて作り出した流行語もショービジネスの世界では換金性がない。コ・ミョンファン、イ・ジョンス、チョン・ジュナ、チ・サンリョルといったコメディアンが役者に転向したのも、将来に対する不安のためと見られる。『ギャグコンサート』のチャン・ドッキュン作家は「今の状況ではコメディアンたちは(テレビが)使い捨てる消耗品と何ら変わりない」と語った。

 しかし、『ウッチャッサ』のイ・チャンテプロデューサーは「コメディアンの寿命は短くなったが、たった2か月でブレイクすることも多いのでは?」とこうした主張に反論した。

 『ウッチャッサ』出演コメディアンの団体行動を違う角度から見る某芸能界関係者は「コメディアンを育てることはリスクが大きく、彼らに契約金を与えるケースはほとんどない。『奴隷契約説』は他の芸能人を引き抜くための作戦の一環ではないかと疑われる」と指摘する。

 パク・スンデ代表はこの日の会見で「育てた師匠を『奴隷契約』だと言って罵倒する現実に心が痛むが、契約破棄など彼らの要求を聞き入れる」と語った。

チェ・スンヒョン記者 vaidale@chosun.com
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