『大長今』が人気の香港・日本、韓国宮廷文化にも関心


 昨年3月に終了したMBCドラマ『大長今』(日本タイトル『宮廷女官チャングムの誓い』)が香港と日本に輸出されて好評を博している。香港で今年1月からTVBを通じて放送された同ドラマは視聴率44%を突破して香港で最も人気のドラマとなり、昨年10月からNHK衛星を通じて放送されている日本ではドラマに登場する宮廷料理に対する関心が高まっている。

▲香港

 18日午後4時から深夜まで、香港・九竜のハーバープラザホテルはドラマ『大長今』一色となった。韓国観光公社が主催した「大長今フェスティバル」の最終日、韓国観光をPRする名誉大使に任命された人気歌手で女優のケリー・チャン(陳慧琳)が伝統衣装の韓服を着て登場すると、約2000人の出席者から大きな拍手が沸き起こった。

 香港メディアが「4月は大長今の月」と伝えているほどに『大長今』は現地で高い人気を集めている。『大長今』にチョン尚宮(サングン)役で出演したヨ・ウンゲと子役の長今(チャングム)役を演じたチョ・ジョンウンのサイン会には3000人のファンが集まり、ハン尚宮を演じたヤン・ミギョン、閔(ミン)従事官を演じた池珍煕(チ・ジニ)には3日間で1万人を超えるファンや取材陣、数十台の車が後を追った。

 8種類の宮廷料理からなる「大長今メニュー」を提供する韓国料理店「徐羅伐」のシン・フンウ社長は「大長今の放映前より客の数が20%以上増えた」と言う。旅行会社も冬の人気商品だった「韓国スキーツアー」を「大長今ツアー」に変えて積極的に売り出している。香港人が経営する韓服店もオープンし、一部のスーパーでは「大長今米」まで販売している。

 韓国観光公社のパク・サンチョル香港支社長は「大長今は中華圏で身近な箸文化や食品文化、中医学、孝道、宮廷闘争などがバランス良く描かれており、香港人の心を捕らえた」と説明した。

香港=宋義達(ソン・ウィダル)記者edsong@chosun.com


▲日本

 東京・原宿にある料理学校。16人の日本の主婦が教室を満たして実習に夢中になっている。彼女たちが学んでいるのは、韓国の主婦でも良く知らない専門的な宮廷料理だ。

 日本の『大長今』ファンサイト「同好大長今」には「京畿(キョンギ)道にある水剌間(スラガン/王の食事を調理する場所)のセットに行って来た」といった韓国料理マニアの書き込みが溢れ、新宿にある紀伊国屋書店には『韓国宮廷料理』など『大長今』関連の書籍が並ぶ。

 15日、宮廷料理研究院の東京支部をオープンして初めて講義を行ったハン・ボンニョ宮廷料理研究院の宮廷料理講座は、計8回の授業料が14万8000円(約148万ウォン)にも関わらず、ホームページでの募集だけで2クラス(32人)の定員が埋まった。

 主婦の半田千重子さん(42)は「ドラマ『大長今』に登場する九折板(クジョルパン)を直接作ってみたくて登録した」とし、30歳の主婦は「ほとんどの韓国料理は作れるので今度は宮廷料理に挑戦した」と話した。

 ハン・ボンニョ院長は「韓国料理を日本に伝授することが母(重要無形文化財38号の黄慧性(ファン・ヘソン)さん)の宿願だったが、『大長今』人気で30年目にして実現することが出来た。韓国料理を詳しく知らない人々のために韓国食文化の深みや合理性を伝えたい」と語った。

東京=イ・ジャヨン記者 achim@chosun.com
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース