映画『拳が泣く』(リュ・スンワン監督、シーオーフィルム、ブラボーエンターテインメント共同制作)と『甘い人生』(金知雲(キム・ジウン)監督、映画社「ボム」制作)が4月1日に同時公開され、正面対決を繰り広げる。
両作品には崔岷植(チェ・ ミンシク)、リュ・スンボム、イム・ウォンヒ(拳が泣く)、李炳憲(イ・ ビョンホン)、金永哲(キム・ ヨンチョル)、ファン・ジョンミン、シン・ミナ(甘い人生)ら豪華な面々が出演し、映画関係者や映画ファンの期待を一身に集めてきた。
▲パワー溢れるアクション
両作品はアクションという接点を共有している。
『拳が泣く』は崔岷植とリュ・スンボムのプロ並みのボクシング技を見ることができ、圧巻のクライマックスとなる新人王戦の決勝戦シーンでは二人の俳優が実際に試合を行い、ケガまでするリアルな映像で観客を圧倒する。
『甘い人生』では更に強力なアクションが展開される。
一瞬のミスで組職のボスの命令に逆らうことになり、組職全体を敵に回す男の話を描き、さまざまな銃撃戦と格闘シーンがスクリーンを満たす。李炳憲は指を折り、全身痣だらけになる熱演を見せ、周囲から絶賛を浴びた。
▲感動VSスタイル
両作品は正反対のスタイルを持っている。
『拳が泣く』はボクシングを媒介にして毎日を生き延びる元アジア大会の銀メダルリスト、カン・テシク(崔岷植)と少年院を転々とする問題児のリュ・サンファン(リュ・スンボム)が苦難を乗り越える姿に焦点を合わせている。
これに対して『甘い人生』はディテールにこだわる金知雲監督が銃弾に撃たれ血が飛び散るシーンまでも美しく感じられるほどにスタイリッシュな映像で演出した。
『拳が泣く』のスタイルが男性的だとすれば、『甘い人生』は女性的と言えよう。
▲最後に笑うのは誰?
現時点では『拳が泣く』が僅差で優勢だ。
『拳が泣く』は各映画サイトでの前売り状況などの調査で『甘い人生』を上回っている。『甘い人生』が残酷な銃撃シーンのため映像物等級委員会からR-18指定を受けた一方で、『拳が泣く』はリュ・スンボムが少年院で自分を見下す仲間の耳をかじるシーンが登場するにも関わらず、R-15指定を受けて早くも観客確保の面で有利に立った状態。しかし、『甘い人生』は国内最大の投資、配給会社であるCJエンターテインメントが配給を務めており、スクリーン数の確保では優位と予想されている。
今年の旧正月連休に公開された『公共の敵2』と『マラソン』がそれぞれ400万人以上の観客動員を記録して韓国映画の復興を導いたように、『拳が泣く』と『甘い人生』が再び大ヒットを記録するのは確実だろう。