「憎たらしいほどのキレル俳優」 マルチ俳優チョ・スンウ

 「チョ・スンウさんはほんとうに憎たらしい俳優です。演出家が本当に必要か落ち込んじゃうほどです」14日にソウル弘大(ホンデ)前のロックカフェ(ナイトクラブの一種)で行われた性転換ロッカーのエピソードを素材にしたミュージカル『ヘッドウィグ』の制作発表会で演出を担当したイ・ジナさんにチョ・スンウの評価をお願いした際、苦情交じりに帰ってきた言葉だ。一言でいうと一人で何でもこなせる「キレル」俳優だという意味だ。

 映画とミュージカルの両方で活躍し、超大物興行スターへと駆け上がっているチョ・スンウはこの日『ヘッドウィグ』のナンバーのひとつである『箱の中のかつら(Wig in a box)』を熱唱した。

 力強く透き通るような声、プロのロッカー顔負けのステージパフォーマンス、客席の視線をまるで掃除機のように引き付ける吸引力は一級品だった。この歌ひとつだけをとってみても演出のイ・ジナが何を言いたかったのか十分に分かった。

 ミュージカル『ジキルとハイド』では善悪が共存する矛盾的人物、映画『マラソン』では自閉症青年、今度の『ヘッドウィグ』ではトランスジェンダー・ロッカー、毎回容易でない役柄を引き受けていることに対してチョ・スンウは「わざとそうしてるわけじゃないです」と言い、「その瞬間、僕に刺激と感動を与えてくれたものを選択したのですが偶然そうなりました」と話す。

「『ヘッドウィグ』は以前から胸に秘めていた作品」というチョ・スンウは「『ヘッドウィグ』を通じて自分の生き方を映し出す機会になればと思っています」と付け加えた。

 チョ・スンウはキム・ダヒョン、ソン・ヨンジン、オ・マンソクらと一緒に主人公ヘッドウィグ役を日替わりで演じる。ミュージカル『ヘッドウィグ』は来月12日、ソウル・大学路のライブ劇場で開幕する。

スポーツ朝鮮/キム・ヒョンジュン記者
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