25日に韓国公開『血と骨』 崔洋一監督が訪韓会見

 「私の映画『血と骨』は半径200mの小さな朝鮮人集落で起きたことを描いているが、それが朝鮮人の生き様を代弁しようというものではない。私は孤独な人間の強さと弱さを描きたかった。時代状況よりも時代に背を向けた1人の人物と彼の家族を描こうとした。『ゴッドファーザー』がイタリア移民を描いているが、私はそこに一つの家族の話を見たようだ」

 梁石日(ヤン・ソギル)の小説『血と骨』はカネと暴力、セックスに明け暮れた「怪物」のような人生を生きた在日コリアン1世の一生を取り上げた話題作だ。この小説を原作に、これよりさらに壮絶な男の一生を描き、昨年日本の映画賞を総なめするなど、巷で絶賛された崔洋一(56)監督が訪韓した。

 崔監督は昨秋、日本の映画監督協会理事長に就任し話題となった。25日に韓国で公開される映画『血と骨』で、主人公・金俊平(キム・ジュンピョン)役のビートたけしは訪韓しなかったが、代わりに妻・李英姫(イ・ヨンヒ)役の鈴木京香が崔監督と一緒に韓国を訪れ記者会見を行った。

 崔監督は、「私は在日韓国人という素材を通じ特定の社会的メッセージを伝えようというのではない」と重ねて強調した。「私を『日本で逆境を乗り越え成功した監督』という風に定型化しないで欲しい」と崔監督は常日頃から主張して来た。

 「韓国人の父から生まれ、日本で育ったので、特別な(韓国人としての)アイデンティティなく生きて来た。そうした点が私の映画の幅を広げてくれる役割を果たしたようだ」と説明した。

 崔監督は完成度の高い映画『血と骨』で「韓国で逆韓流を起こしたい」と抱負を述べた。

パク・ウンジュ記者 zeeny@chosun.com
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