エリック、イ・ドンゴン、ヒョン・ビン、リュ・ジン、オム・テウン、ソン・イルグク、チョ・インソンには共通分母がある。
魅力的なサブ主演(第2主人公)役を演じ、視聴率を引き上げ、ドラマのヒットをけん引、一気にスターダムに上がったり、スターの位置を再確認したりしている点だ。
SHINHWAのメンバーであるエリックはMBCドラマ『火の鳥』でイ・ソジンと、イ・ドンゴンはSBSドラマ『パリの恋人』で朴新陽(パク・シニャン)と、ヒョン・ビンはMBCドラマ『アイランド』でキム・ミンジュンと、リュ・ジンはKBSドラマ『オー!必勝ポン・スニョン』で安在旭(アン・ジェウク)とそれぞれライバル役として、ドラマの劇的な緊張感を最高潮に引き上げ、視聴者をブラウン管の前にクギ付けにした。
現在韓国で最高の各人気ドラマでもこうした公式は完璧に当てはまる。
オム・テウンは月火ドラマのミニシリーズKBS『怪傑春香』でチェヒ、ソン・イルグクは水木ミニシリーズドラマKBS『海神』でチェ・スジョン、チョ・インソンはSBSドラマ『春の日』で池珍煕(チ・ジンヒ)とそれぞれヒロインをめぐり強烈な三角関係を繰り広げ、同時間帯の視聴率トップの座を不動のものとしている 。
オム・テウンは『怪傑春香』で従来の変わり者役イメージを完全に払拭し、春香役のハン・チェヨンを暖かく見守る有能な男として出演し、人気を博しながら春香がチェヒ(イ・ドヒョン役)ではなくオム・テウンと結ばれるサプライズ・エンディングの賛否論争まで呼び起こしている。
ソン・イルグク(ヨム・ジャン)も『海神』でチェ・スジョン(チャン・ボゴ)と鋭く対立するライバル役を演じ、依然多くの視聴者が彼を憎むどころか、主役のチェ・スジョンとどちらが魅力的かをめぐり、論争を引き起こすほど爆発的な支持を集めている。
腹違いの穏やかな性格の兄・池珍煕(ウンホ役)と違い、情緒不安で破天荒なキャラクターに扮しているチョ・インソン(ウンソプ役)はコ・ヒョンジョン(ジョンウン)を愛しながら兄に対する憎しみまで押し殺す演技をしながら、『バリでの出来事』と同じ演技を繰り広げているという酷評を払拭し、視聴率を稼ぎ出している。
こうした公式は失敗したドラマでも立証されている。低視聴率にあえぎ終了したSBSドラマ『ガラスの華』はキム・ソンスの魅力がイ・ドンゴンに及ばず、視聴者の関心を引くことに序盤からつまづき、MBCドラマ『悲しい恋歌』のヨン・ジョンフンも宋承憲(ソン・スンホン)の代役には多少カリスマ不足で荷が重かった感がありドラマをヒットに結び付ける上で障害となったという分析が出ている。
SBSドラマ『ラブスーリー・イン・ハーバード』もイ・ジョンジンをキム・レウォンの恋敵としてキャスティングしたが、当初の期待に及ばす視聴率も低迷した。
これは男性1人に女性2人の三角関係に焦点が当てられていた過去のドラマが主にサブ主演役で出演する悪女役女優の魅力と熱演具合にドラマの成功が左右されていたのと似ている。
KBSドラマ『夏の香り』のハン・ジヘ、SBSドラマ『天国の会談』のキム・テヒなどがドラマ出演直後、主演級スターに飛躍している。
このように男性俳優のサブ主演がどれだけ善戦するかにドラマの成功が左右されるため、最近ドラマを制作する放送局やプロダクションはキャスティングに難しさを感じている。
サブ主演の場合、トップクラスのスターが避けたがるため、新人を起用するケースが多くリスクが高いからだ。
一例としてドラマ『アイランド』のサブ主演として出演、一躍スターになったヒョン・ビンが主人公として出演するMBC新ドラマ『僕の名前はキム・ナムスン』の場合、ヒョン・ビンは主役に決定しているが、サブ主演のキャスティングがまだ決まっていない。
こうした点でトップスターのチャ・インピョがSBSドラマ『香港エキスプレス』で助演級の悪役をこなしているのは真のスターの姿勢が何であるかを問い直す良い例となっている。