問題作『その時、その人々』いよいよ公開 観客の反応は好評

 裁判所から仮処分申請の一部引用判決を受けた『その時、その人々』が3日、韓国全土の劇場で公開された。

 大邱(テグ)地域で一部市民らが公開反対デモを行ったことを除き、特別な騒ぎもなく上映がスタートした。

 正確な観客数集計はまだ発表されていないが、初日の観客動員数は平日である点をかんがみ、他のライバル作より少ない水準だ。

 ソウル・鍾路(チョンノ)の大型劇場の立会人(観客数を確認するため配給会社が劇場に派遣する人員)は、「『その時、その人々』は、『マラソン』や『公共の敵2』といった他のライバル作と似通ったレベルで、観客が集まっている」と話す。

 制作会社『MKピクチャーズ』のイ・ユンジョン・チーム長は、「平日のせいか、映画に対する反応を占うのは早い」と前提を述べたあと、「大きな興行ではないが、予想していたとおりの観客数は記録しているようだ」と説明している。

 イ・チーム長は続いて、「主な観客層の年齢帯が他の映画と比べ高い方なので、週末に当日チケットで映画を見たり、旧正月連休に映画館を訪れる20代以上の観客たちからの良い反応を期待している」と付け加えた。

 映画が公開後、同映画のホームページ(www.peopke2005.co.kr)の掲示板は同映画に対する激しい非難の投稿と共に、映画の感想が相次いで書き込まれている。映画を見た人たちの映画評はおおむね肯定的だ。

 ネチズン“Lunamoth”さんは、「(個人的に)映画をかなり肯定的に評価したい。幻想から逃げず、その時代の急所を逃さず少しずつ突いていった点がそうだ」という投稿を載せている。

 別のネチズン“キム・ソヒ”さんは、「オンライン予約は売り切れで、朝当日チケットを買った。削除されたのがどの部分なのか知っているので、とても残念だったが、一日の事件を密度濃く興味津々に描いており、面白かった」と評価している。

 また、「その時代に生きていなかった人間として、同感できないが、絶えず変化する状況の中、若干のスリル感もあり、残念な部分もあった」(ケグリ)、「一日の事件を映画化したので、つまらないかもしれないと心配してたけど、中身が濃いストーリーだった」(ソウル市民)と概して好評だった。

 一方、「政治的な意図もなく、大したことない三流映画に過ぎない。ただ社会の関心を引き寄せ、ヒットさせようという、そんな映画のようで、空しさを覚えた」(ソガッタ!チョプ)という意見もあった。

 10・26事件(朴正煕(パク・チョンヒ)大統領暗殺事件)を素材にした映画『その時、その人々』は朴正煕元大統領の長男・朴志晩(パク・チマン)氏が故人に対する名誉毀損として起こしていた上映禁止申請に対し、裁判所が一部シーン削除を条件に上映を許可しており、制作会社は3分50秒程度のドキュメンタリー場面を無地(黒色画面)処理したまま上映している。

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