韓国人初のアカデミー賞ノミネートを果たしたパク・セジョン監督

 「今回のノミネートがきっかけで私の作品に多くの関心を寄せてくれる人や次の作品も制作できるよう手伝ってくれる人が出てきてくれたらと思います」

 オーストラリア在住の映画監督、パク・セジョンさん(38)の短編アニメ『バースデーボーイ』(BirthdayBoy)が来月27日に開催される第77回アカデミー映画賞のアニメーション短編賞にノミネートされた。

 韓国系米国人のクリスティン・チョイ監督が『誰がビンセント・チンを殺したか?』で1989年のアカデミー賞・ドキュメンタリー賞にノミネートしたことはあるが、韓国籍の映画監督が同賞にノミネートするのは今回が初めて。

 パクさんは26日、連合ニュースとの電話インタビューで「期待はしていなかったが実際にノミネートされると本当にうれしい」とし、「やりたかったことをやっただけだが、多くの人々に選ばれて国際的にも知られてうれしい」と語った。

 『バースデーボーイ』がノミネートされたことについては「ヒューマンドラマにアジア的な情緒を加えた物語なだけに、多くの関心を集められたようだ」と説明した。

 パクさんは「西洋中心のアニメではなく、違った特色を持ったアニメが作りたかった」とし、「韓国戦争という素材が物語に力を与え、ストーリーをリードすることができた」と話した。


 長編アニメを準備しているというパクさんは「まだ具体的な内容は言えない。3Dにするか2Dにするかも決まっていない」と答えた。

 パクさんは弘益(ホンイク)大学で視覚デザインを学び、7年前にオーストラリアに渡り、現地で妻と2歳の息子と3人で暮している。

 『バースデーボーイ』は韓国戦争で孤児になった子どもの悲しさを描いた10分の3Dアニメで、戦争の痛みを経験した当時の韓国人の姿をリアルに描いたと評価されている。

 『バースデーボーイ』はすでに昨年、アヌシー国際アニメーション映画祭で新人賞、シドニーフィルムフェスティバルで大賞を受賞するなど、国内外で行われたアニメフェスティバルで数多くの賞を総なめにした。

 米国のコンピューターアニメのカンファレンス「SIGGRAPH」からベストアニメに選ばれ、富川(プチョン)国際学生アニメフェスティバルでも大賞を受賞した。

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