ワールドプレミアでベール脱いだ『その時、その人々』



 予想を上回るインパクトだった。

 これまでベールに包まれていた映画『その時、その人々』のショッキングな映像が公開された。

 朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領が殺害された10・26事件を描いた映画『その時、その人々』が24日午後7時から、ソウル市内の龍山(ヨンサン)CGVで行われたワールドプレミアで約2200人の観客を前にベールを脱いだ。

 最近、故・朴正煕元大統領の息子、志晩(ジマン)氏が上映禁止仮処分を申請するなど、映画界内外で話題となっている『その時、その人々』は一先ず、作品の完成度では高い評価を得た。

 ウィット溢れる台詞とアイロニカルな状況がもたらす失笑がハイレベルなブラックコメディとしての役割を果たしたという評価。

 102分の上映時間中、客席からはショッキングなシーンの度に爆笑が沸き起こった。

 しかし、上映禁止仮処分申請をされて問題になった台詞やシーンがカットされておらず、今後大きな波紋を呼ぶものと見られる。

 大統領役を演じたソン・ジェホとキム部長を演じたパク・ユンシクが頻繁に使った日本語の台詞やキム・ユナが歌う日本の演歌などのシーンは日本色を強めている。


 また、上半身を露出した20代の女性を中央情報部の課長が眺めるシーンやユン・ヨジョンの台詞などは政界のセックススキャンダルを暗示している。

 最後のユン・ヨジョンのナレーションには「あの方の猟色行為を話そうとしたが、金部長が引き止めて、そうすることができなかった」という内容が含まれており、激しい反発が予想される。

 さらにはエンディングのクレジットが流れる際に朴正煕元大統領の葬儀場面が5分間にわたって挿入され、観客がそれまでの内容や台詞をすべて実際の状況と結び付ける余地を残すという点でショッキングだ。  

 一方、試写会直後に行われた記者会見でイム・サンス監督は、最後の葬儀場面をそのまま使ったことに対して「実際にテレビでその映像を見て脳裏に深く焼き付いていた。そのことがきっかけで今回の映画を制作することになった」と説明した。

 また、劇中に大統領が日本語を使い、猟色行為をするように描写されたことについては「映画全体の流れから脱した質問」と直答を避けながら「日本語を話すことは日帝時代を経験した年代の方々にとっては自然なことではないか」と問い返した。

 そして、ユン・ヨジョンのセックススキャンダルを連想させる台詞については「その仕事を遂行しなければならないチュ課長のキャラクターや状況を説明するため」と答えた。

スポーツ朝鮮/キム・ソラ記者 soda@sportschosun.com
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