韓国の人気芸能人99人に対する魅力や才能、今後の見込み、自己管理能力、噂などを整理した謎のファイルがネット上に流出している。
このファイルには未確認の男性遍歴、女性遍歴など、極めてプライベートなことに対する噂が含まれており、ネット上で論議になっている。ネットを通じて無差別的な人権侵害が行われているといった懸念の声も高まっている。
18日からネット上で急速に広まっているこのファイルは、表紙を含み113ページのパワーポイントで作成され、作成日は2004年11月とある。このファイルは某大手広告企画会社が某リサーチ会社に発注して製作されたものだと書かれている。
このファイルには「本調査は広告モデルに関する資料収集を通じてモデルとしての価値を把握し、モデル契約後の個人的な事情によって発生する可能性のある、さまざまな状況を事前に管理して広告主のリスクを最小化する目的で企画された」と書かれている。
調査方法は芸能人の資料をテレビ局の芸能リポーター、スポーツ新聞の記者など、10人にインタビューする形式で行われたと書かれている。
対象となった99人は、タレント、俳優、女優、歌手など、現在活躍中の人気芸能人が網羅されている。ファイルには1ページごとに一人の芸能人の情報が記されている。
報告書には、該当芸能人のデビューと現在の活動状況を示す「現在位置」、今後の活動を予測した「ビジョン」を星印の数で評価している。
その他、「魅力/才能」「自己管理」「噂」なども星印で点数化されている。報告書にはまた、芸能人の詳細情報が記され、肯定的な内容には「↑」、否定的な内容には「↓」で示されている。
中でも名誉毀損の指摘がなされているのは「噂」の項目。「性的趣向が一般人とは異なる」「某企業家の兄弟とスキャンダルがあった」「数多くの芸能人と交際した」「スポンサーが最近変わった」「政府関係者と交際した」など、まったく根拠のない極めてプライベートな内容が記されている。ネット上で最も関心が集まっているのも、この「噂」の項目だ。
一方、報告書に回答者として言及されている某スポーツ新聞の記者は「広告会社から芸能人の詳細を扱ったデータベースが作りたいと連絡を受け、インタビューをしたことは事実」としながら、「しかし、芸能人のプライバシーや噂については話したことはなく、ただ現在の活動状況や将来の可能性などについて話しただけ」と釈明した。
同記者はまた、「(広告会社側から)身元やインタビュー内容は極秘で送ると言ったが、資料がネット上に流出して私が芸能人のプライベートや噂までも提供したことになっていて困惑している」とし、「該当の広告会社に徹底した解明を求めると同時に強く抗議し、訴訟も考慮している」と話した。
問題となった広告会社の関係者は「リサーチ会社が大まかに集めた単純な情報に過ぎない」としながら、「この程度の情報はどの広告会社でも持っているはずで、世間的にも広く知られていることでは」と反論した。同関係者はまた「情報が流出した経路について調べているが、まだ何も確認されていない」と付け加えた。
今回の事件は明らかにプライバシーの侵害が行われている点、会社の意図に関わらず資料が流出した点など、簡単に騒動は収まりそうにない。
特に芸能人とその所属プロダクションは訴訟などの法的対応を検討しているという。
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