『冬ソナ』再放送に『土曜名画』視聴者が猛反発

 スペインの作曲家ホアキン・ロドリーゴの『アランフェス協奏曲』。タイトルだけを聞いてもどんな曲かまったく想像がつかない。

 しかし、クラシックに詳しくない人でも、この曲のメロディーを耳にすれば、自分でも知らぬうちに思い出が頭の中をよぎるだろう。

 この曲はかつてのTBC時代から今まで30年以上にわたって毎週土曜日の夜に放送されてきたKBS第2テレビの番組『土曜名画』のテーマ曲だ。

 ブラウン管を通じて見る映画が最高の娯楽だった70~80年代、視聴者の圧倒的な支持を受けてきた『土曜名画』が最近、存続の危機に立たされている。

 KBSは8日からドラマ『冬のソナタ』の再放送を『土曜名画』の時間帯に編成した。日本の韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』を再評価しようというのが理由だ。

 『土曜名画』は今回の『冬のソナタ』の再放送によって10週間という長いブランクを経ることになった。昨年の10~11月にも7週間、『土曜名画』の時間帯に米国のテレビシリーズ『スティーヴン・キングのキングダム・ホスピタル』を放送したことはあったが、その時にはそれでも外国作品という名分があった。

 KBSのこうした編成に視聴者たちは強く反発している。ポータルサイト「Daum」には「『土曜名画』の代わりに『冬のソナタ』を放送することに反対する」といった抗議の署名運動が起こり、3日午後までに約7000人がこれに賛同した。



 KBSのホームページにも抗議が殺到している。『土曜名画』のホームページにある掲示板には「『土曜名画』は多くの人に土曜日という時間を幸せにさせてくれた番組で、子どもの時と同じように今でも時間さえあれば必ず見ている」、「平日の深夜に放送すればいい『冬のソナタ』の再放送をなぜ『土曜名画』の時間帯にするのか理解できない」といった意見が寄せられている。

 KBS声優劇会も声明を出し、「視聴者の視点に立たず、その場しのぎの編成で映画を放送してきたことを反省せずに『冬のソナタ』を無理やり編成して問題を解決しようとしている」と批判した。  KBS第2テレビのキョン・ミョンチョル編成チーム長は「他の媒体が増え、映画の版権も高くなったうえにケーブルテレビでも一日中映画を見ることが出来るため、『冬のソナタ』の再放送が相応しいと判断した」と説明した。

 これまでKBSのみならず、地上波テレビ局は視聴率が低い(5~8%)いう理由で週末の映画番組を午後11~午前0時という深夜に放送してきた。

 しかし 、KBSは国営放送であって少数であろうと多様な視聴者のニーズに応えなければならず、『土曜名画』を放送すべきだという指摘が多い。

 KBSホームページの掲示板には「視覚障害者が外国映画を見る手段として『土曜名画』を楽しんでいるという事実を分かっているのか」、「国営放送であるなら少数視聴者に対する配慮がなければならない」といった意見も寄せられている。

 MBC映画部の関係者は「私たちは多くのメディアが集中しているソウルに住んでいるため分からないかもしれないが、地方には確かに地上波で深夜の映画番組を楽しんでいる視聴者が多い」とし、「人気映画を編成すれば15%近い視聴率を取ることができる」と話した。

チェ・スンヒョン記者 vaidale@chosun.com
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