12月7日に入隊を控えた“俳優”ユン・ゲサン

 覚悟は決め、すでに現実を受け止めた後だった。しかし、多少の後悔はあった。淡々とした表情を装っていたが、入隊日(12月7日)の知らせを受けたユン・ゲサン(26)が本来の姿を見せられないのは十分に理解できることだった。

 それでもしっかりとした口調でインタビューに応じてくれた。少なくとも自身初の出演映画で主演映画でもある『バレエ教室』(ピョン・ヨンジュ監督/チョウン(良い)映画社制作)の話をしている時は入隊のことを忘れているようだった。そんな中でもラッキーだったのはユン・ゲサンが『バレエ教習所』の公開に合わせて舞台あいさつを行うことができたことだ。本人もそう思うと微笑むユン・ゲサンに今の心境を聞いてみた。

 人気グループ「god」メンバーから俳優に転向したのはなぜか?

 「ある人は音楽業界が不況だから俳優に転向したと言うが、そうではない。演技とはどんなものか興味があった」

 『バレエ教習所』への出演を決めた理由をこう語ったユン・ゲサンは、実績はなかったが意外にも今までにも多くの作品からオファーを受けてきた。ユン・ゲサンの新鮮なイメージが高く評価されたためだ。それだけに映画ではなくとも無難にCMデビューする道を選ぶことも可能だった。

 しかし、ユン・ゲサンはヒットの可能性の低い映画をあえて選んだ。映画は新人であるユン・ゲサンが主演に決まったことで、さらに貧弱さを増したように見えた。

 「演技に対する自分の純粋な面を見せたかった。実際に自分がどんな演技をしてもきっと周りは色眼鏡で見るだろう。だからあえて俳優として見られることは諦めて今までの活動を忘れることもひとまず後回しにした。そんな時にピョン・ヨンジュ監督の映画に対する想いに惹かれ、自分の考えていたことがある程度は実現できると思って出演を決めた。単純に金銭的な目的で出演するのではないということを見せたいと思った」

 「それでも実際に映画に出ながらも間違った選択をしたのではと思ったりもしが、時間が経つにつれて演じたいという気持ちのほうが大きくなった」


 ユン・ゲサンは今、演技にすっかり魅了されているという。今までに映画1本、ドラマ1本(『兄嫁は19歳』)に出演しただけなのだが…。

 「映画の撮影そのものが本当に楽しかった。自分ではない別のキャラクターを演じること自体が楽しかった。クランクインの日に70人のスタッフが一つのシーンのために動いている姿を見て驚いた。個々の情熱がものすごかった。全員が『自分の映画なんだ』と言わんばかりに集中していた。そんな感情がひしひしと伝わってくる不思議な快感があった」

 ならば歌手は完全に引退すると?

 「そういう意味ではない。今はただ演じることに魅力を感じている」

 ユン・ゲサンは『バレエ教習所』で高校3年生のミンジェ役を演じた。不安な未来と胸ときめく恋に迷うシャイな男子高校生だ。

 「ミンジェのほうがむしろおとなしい。実際の自分はもう少し活発だった。19歳の時の自分には悩みも夢もなかった。撮影に参加したながらミンジェのことを完全に理解することはできなかったが、ミンジェになったようだった」


 ユン・ゲサンは入隊を覚悟していた。しかし、実際に入隊が決まると落ち着かなかった。それでも比較的早い時期に事実を受け入れた。次回作のオファーをすべて諦めて入隊することを決心したのだ。

 「数日前、マンションの管理人のおじさんからとても寂しそうな表情で何かを渡された。本当は来年に家を引き払おうかと思ったが、随分と早まった。どうしようかと悩んだ挙句、今入隊することを決めた。どっちにしても残り3か月では何にもできないと思った。早く終わらせてこようと思う」

 除隊後により成熟した姿になったユン・ゲサンをスクリーンで観るのが今から楽しみだ。その日が訪れるのもそう遠くはない。

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