数千人が出迎えたヨン様 日本民放は生中継も


 「ヨン様を乗せた大韓航空機が1時34分に到着しました」

 案内放送が流れると、日本の成田空港に集まっていた5000人余がざわめき始めた。あちこちから「わ~」という歓声が上がった。

 25日は日本に吹き荒れた韓流ブームの震源、ドラマ『冬のソナタ』の主人公ペ・ヨンジュンが日本を訪問する日。まだ、韓流ブームが本格的に広がる前の今年4月に日本を訪問して以来、7か月ぶりの再訪問だった。

 茶色のサングラスにストライプが入ったジャケットを羽織ったペ・ヨンジュンが成田空港のロビーに現れ微笑むと、ファンのカメラフォンが一斉に宙に舞い、「がちゃん」と音を立てた。

 数百人にもおよぶ現地取材班のシャッターを切る慌しい音、歓声、熱狂が成田を覆った。

 “ヨン様”(ペ・ヨンジュンの愛称)を出迎えるため、成田空港には24日午後10時ごろから人が集まり始めた。成田空港は午前5時に開場する。ハングルで「お帰りなさい。歓迎します」、「愛しています」などと書かれたプラカードや写真を手にした大勢のファンは、空港庁舎の外で野宿をした。出迎えたファンの約98%が20代から80代までの女性だった。

 ヨン様は混乱を避けるため、航空便を公開しなかった。しかし、日本のファンはすでに仁川(インチョン)からペ・ヨンジュンの後を追っかけていた。ヨン様が午前10時を少し回った時間、大韓航空機に乗ったという知らせは国際電話で、TVで、口コミですぐに広まった。

 ペ・ヨンジュンが今年4月に訪日した際、羽田空港は麻痺状態に陥った。当時、羽田空港側は前代未聞の事態に驚き、「次回は成田を利用して欲しい」と勧めた。東京都心から電車で1時間30分以上もかかる成田空港。しかし、今回もまた、出迎えのファンに占拠されてしまった。

 東京はもちろん、数百キロも離れた地方から来た人もたくさんいた。普段は見ることのない警察兵力が100人以上も投入され、警備会社も通常の2倍の200人余を配置した。

 日本の民放はいっそペ・ヨンジュンの出国と入国を生中継した。これら放送のタイトルは「祝 ヨン様再訪日」。「様」をつけているため、中継のアナウンサーもペ・ヨンジュンに対し丁寧な敬語を使っていた。

 今年4月にペ・ヨンジュンが立ち寄ったすべてのレストランも大盛況だ。ペ・ヨンジュンが立ち寄った豚肉シャブシャブの店の主人は、日本のマスコミの取材に対し、ペ・ヨンジュンが座った場所、ペ・ヨンジュンが食べた料理などをそのまま再現したとした。

 「ヨン様が座られた場所で食事をするため、日本はもちろん、東南アジアからも大勢のお客様がいらっしゃっています。しかし、あの方たちは、料理を前に食べようとはせず、ただ涙を流しておられました」と話した。

 テレビの出演者たちは、はじめから最後まで笑みを忘れないのを見て、「あのように些細な部分までファンサービスをしている。ファンと言わず、“家族”と呼ぶことなど、すべてが韓国俳優のパワー」と褒め称えた。

 ペ・ヨンジュンは26日、写真展が開かれる東京都心の六本木ヒルズで現地マスコミを相手に記者会見を開く。続いて、翌日からは写真展が開かれる。28日はCMの撮影が予定されており、29日、韓国へ帰る。

 ペ・ヨンジュンは自分とファンの安全事故を懸念し、4泊5日の日本滞留期間中、ファンと直接会う行事は行わないことにした。

 ペ・ヨンジュンは今回の訪問と関連、100億ウォン規模の傷害保険に加入した。ペ・ヨンジュンは同日午前、出国前の仁川空港で「大勢の方が空港で徹夜をなさったと聞いた。事故にでも遭うのではないか心配で、夜も眠れなかった」と話した。このコメントもやはり、日本で高く評価された。

 外信もヨン様到着のニュースを緊急打電した。APは「韓国のドラマスターが東京空港に数千名を雲集させた」という見出しの記事で、ロイター通信は「ヨン様(Yong-sama)到着、ファン狂乱する」という見出しでそれぞれ大きく報じた。

東京=崔洽(チェ・フプ)特派員 pot@chosun.com

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