【独占インタビュー後記】ヨン様がくれた最高のプレゼント

 本当に感激しました。16日、午後11時に「ある人物」からの電話を受け取ってからは、なかなか眠ることができませんでした。

 受話器の向こうから聞こえてきた言葉は「18日午後にペ・ヨンジュンさんとお茶でもしましょう。結婚祝いになりますかね?」というものでした。その「ある人物」とは、7月に出会ったペ・ヨンジュンの所属事務所BOFの室長でした。

 4か月間にわたって何度も電話や直接出向いてペ・ヨンジュンさんとのインタビューを要請して、ある意味BOFを困らせていた状態での返事だっただけに、これまでの努力が報われたと実感した瞬間でした。

 しかも私はその時、結婚を5日後に控えていたのです。(結婚に対する期待で頭がいっぱいでしたが、一方で念願だった今回のインタビューが実現して、さらに幸せな気持ちで新婚旅行に行くことができることになり、本当に感無量でした)

 2002年でもなく2003年でもない、2004年11月現在のペ・ヨンジュンは「スター」という次元を遥かに超えるニュース的な価値を持った人物です。

 『冬の恋歌』(日本タイトル『冬のソナタ』)がNHKの地上波である総合テレビで始まって以来、日本の人々のペ・ヨンジュンに対する熱狂ぶりは海の向こうで起こっている私たちの想像を絶するものでした。

 彼が残したどんな小さな軌跡でも辿りたいと韓国を訪れる日本人観光客の姿を見れば、少しは想像がつくでしょう。韓国観光公社によれば、今年こうした日本人観光客による経済効果は最低でも2400億ウォンにもなるそうです。

 NHKの会長がペ・ヨンジュンを呼ぼうと懸命になっていることや、日本の有名政治家たちもペ・ヨンジュンのイメージを活用しようとしていると聞きました。

  朝日新聞は最近、同社の現代用語事典『知恵蔵』の2005年版刊行記念トークショーで「ヨン様」が1年を代表する流行語を選ぶ「ワード・オブ・ザ・イヤー2004」で最高賞を獲得したと報じました。

 政治、経済、社会、文化の各分野をひっくるめて日本列島を沸かした2004年の1年を代表する流行語に韓国人であるペ・ヨンジュンが選ばれたのです。彼はまさしく、韓国と日本の文化交流で最も重要な役割を果たしているのです。

 ところがペ・ヨンジュンはこうした「ヨン様ブーム」が日本で起こり、そのことが韓国でも知られるようになった今年4月以降、マスコミとの一切の接触を絶ちました。私も4月中旬にインタビューを申し込みましたが、反応は冷ややかなものでした。

 徹底して極秘で行われましたが、今となってみれば、ペ・ヨンジュンはこれまでの半年間を肉体改造と自分との戦いのために費やしてきたのです。極限状態まで自分を追い詰めるトレーニングとダイエット…。

 私は当時、少しは残念な気もしましたが、何が何でも彼に会わなければとは思わなかったです。ところが状況はますますエスカレートしていきました。日本のヨン様ブームはとどまるどころか、ヒートアップする一方でした。

 こうなってくると何としてでもインタビューを実現しなければならなくなってきました。ペ・ヨンジュンが超大物になっただけに、他のメディアが先にインタビューをすることになれば、その打撃は計り知れないものになったでしょう。

 小心者の私は一瞬、危機意識を感じました。そういった経緯もあって持続的にBOFと連絡を取りながら「ペ・ヨンジュンさんが戦略上、今はインタビューに応じないとしても、何か月後にファンの前に姿を現す時には、必ず先頭を逃してはならない」という覚悟でインタビューの確保に臨みました。

 前置きが長くなりましたが、そろそろ18日夕方に会ったペ・ヨンジュンとのインタビューの様子をお話します。(19日付けの本紙と電子版にすべてのインタビュー内容が掲載されているので、重複する内容は省略します)

 一般家屋を改造したソウル市・論峴(ノニョン)洞にあるペ・ヨンジュンの所属事務所BOF2階の応接間で待っていると、3階から彼が降りて来ました。すでにペ・ヨンジュンはテレビの画面を通して見慣れている明るいほほ笑みを浮かべていました。会うことはできても、インタビューがうまくいくかという心配を一気に吹き飛ばしてしまうような表情でした。

 黒縁のメガネに黒い帽子、濃い緑の皮のコートを羽織ったシックなスタイルで登場しました。そして「これまで多くの関心を寄せていただき、ありがとうございます」と話し出しました。相手の質問を最後まで聞き、少し考えてから質問に答える姿が印象的でした。

 「顔はずいぶんと痩せたようですが、以前の姿と変わりないですね」

 「少しずつ回復している最中です。写真集の姿は一時的なものです。さまざまな姿に変身できるということをお見せしたかったのです。変化することは楽しいことじゃありませんか?」

 ペ・ヨンジュンとの対話の中で最も記憶に残ったのは「本当に多くの愛情をもらってはいるが…、正直な話、寂しい」という言葉でした。彼はこの言葉を話しながら、短い沈黙も挟みました。

 「寂しさを楽しもうとも、なくしてみようともしてみたが、なかなか上手くできなかった」と続いた彼の言葉を目の前で聞いていると、世間からは羨望の目を向けられているように見える人気スターでも悩みがたくさんあるんだということを感じさせられました。そして、ペ・ヨンジュンは「あまりにも多くのものを背負わなければならない」とも話しました。

 ペ・ヨンジュンに「思ったよりも出演作が多くないが、なぜそうなのか?」と聞くと、新人賞の話をし出しました。「去年、『スキャンダル/朝鮮男女相悦之詞』(『スキャンダル』)という映画で新人賞を受賞しました。今年がデビューしてからちょうど10年になりますが、今後10年は新たな気持ちで新人の頃の初心に戻って一生懸命やりたいです。さらに活発に活動するつもりですし、ファンの皆さんと素晴らしい時間を過ごすことも考えています」

 ペ・ヨンジュンは「これまで、日本のCM撮影のほとんどを韓国で行うようにしてきた」と自信に溢れた表情をしました。この話は以前にBOFの関係者から聞いたものですが、ペ・ヨンジュンは両国間の交流活性化を念頭に置いて発言することが多かったです。

 彼は「ファン」という表現を使いませんでした。主に「家族」と言うことが多かったです。私は遅ればせながらも「なぜ家族という表現を使うのか?」と聞いてみました。

 「それほど多く私自身のことを見せなかったのですが、一つになって頂いてありがとうございます。私のことをすべて信じてくれるのです。そんな皆さんのことを単にファンと呼ぶことはできないのです」

 「今、一番やりたいことは何か?」と聞くと、目を閉じながら10秒間考えてから「特別にない」と答えました。「やりたくてもできないから思いつかなかったのでは?」ともう一度聞くと、笑いながら「ハハハ、そうみたいですね」と言いました。

 当初、予定されていたインタビュー時間は30分でしたが、話は1時間を過ぎても止まりませんでした。ペ・ヨンジュンは「私に聞きたいことがそれしかありませんか」と逆に聞いてきて、もっと質問してほしいと言ってくれました。一瞬、私は驚きましたが、帰る途中にじっくりと考えてみると、何事も始めたら最後までやり通すペ・ヨンジュンの性格が今回のインタビューでも現れていたと感じました。彼は実際にも出演作に対する自分の基準が非常に高い俳優として有名です。出演作が多くないのもこのためでしょう。

 ペ・ヨンジュンにインタビューをして、周りから最も多く受けた質問は「彼の体はどうなっていたか?」というものでした。しかし、プールで行ったインタビューではないので、私には彼が今どんな体をしているかは確認することができませんでした。ただ、顔は以前と同じ姿に戻っていて、体型も違和感はありませんでした。

 そして…彼の性格を1時間半での対話で判断することは難しいですが、見た目以上に好感を与えることだけは少なくとも私には感じました。19、20の両日に彼がファンの前に姿を現してくれました。今後ペ・ヨンジュンはどんな姿で再び私たちを驚かせてくれるでしょうか。

チェ・スンヒョン記者 vaidale@chosun.com
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース