ドラマ『ガラスの華』で共演中のイ・ドンゴン&キム・ハヌル

 視聴者の感性を刺激する純愛ドラマ『ガラスの華』が来月1日からSBSでスタートする。

 『ガラスの華』は臓器移植を通じて堅い絆で結ばれた二人の男性と運命的に出会う女性の愛と友情、三角関係を描いたドラマ。

 今月4日から日本の神戸で始まったロケ現場を訪れ、主演のイ・ドンゴンとキム・ハヌルにインタビューした。

 「これからは俳優のイ・ドンゴンと覚えてください」

 3日間で平均1時間しか寝られなかったと言うイ・ドンゴン。連日の徹夜でゆっくりと寝た記憶がないと言う。こうした超ハードスケジュールにもかかわらず、目が充血しているということもなく、しっかりとした表情をしていた。

 『パリの恋人』でスヒョクを演じたイ・ドンゴンがSBSドラマ『ガラスの華』のハン・ドンジュとして再び戻ってきた。

 『パリの恋人』以降はしばらくドラマに出演しないつもりだったが、台本を見て一発で出演を決めたという。

 心に深い傷を負ったドンジュというキャラクターに完全に惚れ込んでしまったからだ。

 「心に痛みを持ったキャラクターなら100%の感情を表現できると思う。辛い記憶を持っているという点はドンジュはスヒョクと同じだが、千変万化な面は違っている」

 ドンジュは生まれてすぐ両親に捨てられ、子どもの頃に日本へ養子に行かされて現地で帰化した韓国人。出生の秘密、思春期の苦痛、友達と恋人の間での苦悩など、多くの面を持った人物だ。

 本格的な主演であることに加え、表現の難しい役であるため、最初は役作りに苦労したという。

 どうすれば『パリの恋人』のスヒョクから脱皮して別のキャラクターであるドンジュの姿を見せることができるかについて随分と悩んだ。

 その手始めとして、まずは衣装に気を使ったと言う。スマートなスーツやネクタイをして上品さを演出した。

 しかし、イ・チャンスン監督の「ありのままを見せてくれ」という一言でそんな悩みもすべて消えてしまった。イ・ドンゴンはこの一言で完全に自信を得たのだ。

 もちろんプレッシャーもある。前作『パリの恋人』はチャンスであったと同時に今となっては新たに越えなければならい壁となった。

 「歌手イ・ドンゴンとしての活動は今後ぜったいにしない」と俳優としてやっていく覚悟を語ったイ・ドンゴン。強行軍のスケジュールにもかかわらず、目の輝きからは、すっかりドンジュという役になりきっているイ・ドンゴンの意気込みが伝わってきた。





 「涙の出るような純愛ドラマに心から出たいと思っていました」 

 悲しい歌を歌っていると感情のカタルシスを得ることがある。悲しい歌を歌えば歌うほど妙な清涼感を感じる場合がそれだ。恐らく悲しみを吐き出すことで新たな希望が見えてくるのであろう。

 キム・ハヌルは『ガラスの華』のシン・ジス役を演じながら、こうしたカタルシスを感じるという。ちょうど悲しい純愛ドラマに出演したいと思っていた頃だった。どこか雰囲気が良かった。共演のイ・ドンゴンやキム・ソンス、イ・チャンス監督に対する信頼も大きかった。

 唯一心配だったことは、今まで知らぬ間に定着していたコミカルなイメージ。映画『同い年の家庭教師』や『彼女を信じないで下さい』に出演して自然と身についてしまったコミカルな演技を捨て、いかに深い悲しみを持ったジスになりきれるかがカギだ。

 キム・ハヌルは「コミカルな役を演じながら、自分にもこんな面があるんだと感じた。なので『ガラスの華』でも時々コミカルな部分が出てしまっている。それでも徐々に悲恋の物語の世界へと入り込んでいっていると思う」と語った。

 MBCドラマ『ロマンス』以来、約2年ぶりのドラマ出演となるだけに、今回の『ガラスの華』に対する覚悟も並大抵のものではない。その姿からは、まるですべての期待を一身に背負っているかのように見えた。演技者としてはイ・ドンゴンやキム・ソンスよりも先輩だからだろう。

 キム・ハヌルは「現場をリードしなければと常に思っている。先輩としての責任を感じている。周囲が自分のことを信頼してくれていることを強く感じる」と語った。

 日本でも同時放送されるドラマのヒロインではあるが、最近の韓流ブームに対しては少々慎重のようだ。

 キム・ハヌルは「女優や俳優自身ではなく、周囲が韓流ブームを作っているようだ。それでも日本でも放送されるドラマなのだからベストの姿を見せたいと思う」と語った。

 ドリンク剤を持ってきたが少しでも寝ることが何よりもの薬になると言う。超過密スケジュールでも以前から大好物だった日本のラーメンを食べることが今は唯一の幸せだと話す。

 韓日両国でキム・ハヌルブームが起こる日は、そう遠くなさそうだ。

スポーツ朝鮮/神戸(日本)=キム・イング記者 clark@sportschosun.com
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