【日本の中の韓流/4】韓流ブームを維持する「第2の冬ソナ」を探せ

 猛烈な『冬のソナタ』ブームを引き継ぐ韓流作品はいつ、どのような形で現れるだろうか。ドラマか映画か。BoA以後、何の成果のない音楽部門でスターが誕生するだろうか。

 韓流スターの宋承憲(ソン・スンホン)さんの入隊が主要日刊紙の1面(毎日新聞)記事として報じられるほど、今、熱く燃えている韓流ブームの今後の見通しについて、日本では限界と可能性を同時に予測している。

 まず「限界」に対する懸念がある。『冬のソナタ』のペ・ヨンジュン、『太極旗を翻して(ブラザーフッド)』の張東健(チャン・ドンゴン)、ウォン・ビン、『オールイン』の李炳憲(イ・ビョンホン)が日本人を虜にした四天王として最高の人気を博しているが、いざ作品においては今のように最も重要な時期にふさわしい「結果」が出ていないというのだ。

 「豊かさの中の貧困」であるわけだ。北東アジアの政治・文化関連の雑誌を出版している華山会の某編集者は「約10年前、ものすごい中国ブームが起きたが、1~2年で冷めてしまった」と指摘した。

 それでも韓流ブームが相当期間、続くだろうという展望がより多い。何より、韓流スターたちの個人的人気が高く、来年の韓日国交正常化40周年を控え、両国政府レベルで行われる「韓日友情の年」など、さまざまなイベントが多いという点が挙げられている。

 それほど韓国スターがマスコミに登場する機会が多くなるはずで、韓流に対する絶え間ない再認識が可能だろうという分析だ。

 今「韓流スター」として浮上した俳優らに日本芸能界が目を付け、いろんなイベントを準備しているため、この投資のサイクルが回りながらブームは維持されるだろうという意見(テレビ局関係者)もある。

 韓流ブームが続けば、長、短期的に韓国が手にする利得は少なくない。すぐには、ドラマや映画など文化産業から得る経済的利得があり、長期的には韓国という国家ブランドイメージが肯定的に変わる。『冬のソナタ』のドラマ一本でペ・ヨンジュンが米大リーグの英雄、マリナーズ・イチロー選手や国民的俳優 木村拓哉を制し、ソニーのモデルになったことは、簡単なことではない。

 しかし、このような韓流ブームが持続するためにはビッグヒットが早期に、より多く誕生しなければならないというのが一般的な意見だ。

 韓流ファンは「ヨン様」のペ・ヨンジュンの支持勢力である30代以上の主婦から、今やウォン・ビン、李炳憲などを機に20代以下の若者にまで広がっている。これを受け、韓流現象の外郭も広くなっている。



 これら新たな韓流ファンを、寒流の固定ファンにするためには、若者にアピールすることのできる作品とイベントが相次いで登場しなければならない。

 2000年の『シュリ』、2001年の『共同警備区域 JSA』のヒット以来、これといった成果を出せずにいる映画の場合、「難しくて暗い特殊な韓国社会の情況が障害となっている」という日本映画市場専門家らの指摘に耳を傾ける必要がある。

 日本芸能専門週刊誌の某記者は「いわゆる“ヨン様”ファンとその他の韓流スターのファンは、まったく違った階層」とし、「ペ・ヨンジュン以外の韓国俳優に対する人気は、多少生命力の短い日本のアイドルスター人気に似ている」と分析した。

 「ドラマのみならず音楽、映画においても、日本市場を綿密に分析し、適切なコンテンツを提供しなければならない」という意見も多い。

 大衆音楽は『冬のソナタ』のサウンドトラックが100万枚以上も売れた。オリジナルサウンドトラック部門で日本歴代2位を記録したほど。読売新聞はこのような現象を分析し、「バラードに偏った音楽を乗り越えなければならない」と指摘した。

 急な韓流ブームと文化交流の急増で生じる無理な進行も、克服すべき課題だ。先月31日、ソウルの蚕室(チャムシル)運動場で開かれる予定だった大型コンサートが取り消され、日本人観光客がむだ足を踏んだことや、今年1月、崔志宇(チェジウ)側との交渉失敗で、ファンとの対面が霧散した事などは、すべて日本のマスコミに報じられている。

 極めて韓流に対する関心が高まっている状態であるためだ。

東京=崔洽(チェ・フプ)特派員 pot@chosun.com

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