6日、日本の岐阜県・各務原市は小さな春川(チュンチョン)に変わっていた。
市立産業文化センターは「冬のソナタ春川物語」というタイトルで展示会場が飾られ、ドラマに登場する数々のシーンも再現されて春川の特産品も売られていた。
まだマフラーをするほどではない晴れ渡った秋の日に、テレビ局のリポーターはペ・ヨンジュンのようにマフラーを首に巻いていた。
そのリポーターが展示会場にいた20代の女性にマイクを向けると「私は李炳憲(イ・ビョンホン)が好きなんです。でもやっぱりヨン様も…」と高らかに笑った。
どこから来たのかとリポーターが聞くと「姫路」と答えた。新幹線に乗っても1時間以上かかる所だ。
春川と姉妹都市を結ぶ人口約14万人のこの小さな都市が「冬ソナフェスティバル」を開始すると、週末の2日間に2万人以上の観光客が訪れた。
20代の娘と来たという50代主婦、2人の子どもを連れて来たという30代の夫婦、60代の夫婦2人で来たといった「ソナチアン」たちで展示会場や市内全体は埋め尽くされた。
各務原市は日本百景の一つとして知られる景勝地。しかし、各務原は今、メタセコイアの並木道を「冬ソナストリート」と名付けて日本の中の「冬ソナ都市」に生まれ変わった。
市内の喫茶店には春川タッカルビ(鶏カルビ)をアレンジしたメニューも誕生した。
「数日前に試食会を開いたが、正直なところ春川タッカルビと言うにはちょっと物足りない感じでした」。
春川で交換公務員として2年間勤務したという古田希雄さんは流暢な韓国語で笑いながらこう答えた。
各務原市のこうした試みは『冬の恋歌』に登場する南怡島(ナミソム)のメタセコイアの並木道と雰囲気が似ているということから始まった。メタセコイアの並木道の他にチュンサンとユジンがファーストキスをしたベンチまで再現されている。
6日、韓国の南怡島から寄贈されたこのベンチの除幕式行事は、『故郷の春』と『冬のソナタ』の主題歌が流れる中、行われた。南怡島と同じ小さな雪だるま2個が飾られたこのベンチの周辺には、この日、記念写真を撮る人々で始終、長蛇の列が作られた。
企画財政部の大熊茂弘さんは、「正直、そんなに大きなことは考えず企画した行事だったが、スポンサーを務めたいという問い合わせや行事参加の問い合わせが殺到し、対応に苦労した」と、嬉しそうに話した。
各務原市と春川市の縁は1999年に遡る。はじめ、姉妹都市提携を希望したのは春川市だった。IT産業のイメージの強い岐阜県との交流を希望し、県内でITが最も発達した各務原市と交流が始まった。
姉妹都市になったのは昨年10月。ところが、この春、春川一帯を舞台にしたドラマ『冬のソナタ』が日本全域で熱風を巻き起こし、かえって各務原市が春川のおかげで得をすることになった。
各務原市の『冬のソナタ』フェスティバルは、日本の韓流熱風が『冬のソナタ』や「韓流ブーム」を越えていることを意味する。今週、日本の代表的なサーチエンジン「インフォシーク」の有名人サーチ順位1位はペ・ヨンジュンだ。実に、5週連続1位の座を守っている。李炳憲(イ・ビョンホン/3位)、パク・ヨンハ(5位)がその後ろを追いかけている。
韓国ドラマと俳優に関する関心は、韓国全体に対する関心へと広がっている。韓国語を習い、韓国新聞のインターネット版に頻繁にアクセスしている。日本の某週刊誌記者は「韓国大衆文化に関する記事に限っては、日本の主要メディアより朝鮮日報日本語版をより多く見ており、影響力もより大きい」と話した。
各務原市の公務員の一人は、「語学の受講の申し込みを受け付ければ、韓国語は10分で締め切られてしまう」とし、「プログラムを準備するため市場調査を行った結果、日本人の関心はペ・ヨンジュンや崔志宇を越え、韓国語と韓国文化へと拡大していることが分かった」と話した。
各務原市=崔洽(チェ・フプ)特派員 pot@chosun.com