【収録事故】番組制作者の意識改革で再発防止を


 テレビのバラエティー番組が尊い命を奪った。

 KBS第2テレビのバラエティー番組『日曜日は101%』の収録中に餅を喉に詰らせて窒息、先月13日から意識不明の状態にあった声優のチャン・ジョンジンさんが一か月の闘病の末、亡くなった。

 チャンさんの死亡はテレビ界に大きな衝撃を与えている。番組収録中の事故で出演者が死亡するという初の事態にKBS芸能局の関係者は当惑を隠せずにいる。  

 しかし、こうした事故はかねてから予見された事だった。これまで各テレビ局のバラエティー番組は視聴率競争に追われるがばかりに、命をも脅かす数々の危険なゲームを放送してきた。

 足で胸を蹴ったり、撃破や剣劇の真似事、馬跳びなど、危険なシーンを数え切れないほど演出してきた。ゲームに敗れた出演者に水を浴びせたり、水に落としたりする加虐的な内容も日常茶飯事だった。挙句の果てには軍人でも辛いガス室で長時間耐えるといったものまであった。

 こうした危険なバラエティー番組を制作しながらも、万が一の事態にはまったく備えていなかった。チャンさんの場合も医療スタッフが待機して応急措置さえしていれば最悪の事態は避けることができた。

 KBSは事故後、関連の番組を終了させ、担当ディレクターも交替で看病に当たるなどしたが、あまりにも対応が遅すぎた。

各テレビ局は今回の事故を無駄にせず、今後の反省材料にすべきで、視聴率至上主義から脱して出演者の安全を最優先にする体制も整えなければならない。

 このまま再び「まさかそんな事故…」といった姿勢で制作を続ければ、さらに大きな事故を起こすことになるだろう。

 「第2のチャン・ジョンジンさん」を生まないためにも、バラエティー番組制作者の意識改革が必要な時だ。

スポーツ朝鮮/イム・ジョンシク記者 dada@sportschosun.com
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