ウォン・ビン主演の笑いと涙と感動の映画『うちの兄』

 ジョンヒョン(ウォン・ビン扮す)は17年間、兄のソンヒョン(申河均(シン・ハギュン)扮す)のことを一度も「兄さん」と呼んだことがない。

 ジョンヒョンは整ったルックスの持ち主で喧嘩も強いが、ソンヒョンは堅物で真面目な優等生だ。

 同じ高校に通う兄弟はある日、近所の女子高に通うミリョン(イ・ボヨン扮す)のことを同時に好きになる。

 子どもの頃から兄を偏愛してきた母親(金海淑(キム・ヘスク)扮す)のために、どこへ行っても生きていけるくらい逞しく育ったジョンヒョンは、整ったルックスと男らしさでミリョンの心を捕らえる。

 自分も好きなミリョンと付き合うジョンヒョンのことが羨ましくて仕方なかったソンヒョンは、これまで我慢してきた自分の感情を爆発させて互いのわだかまりを無くす。

 『うちの兄』(アン・グォンテ監督、ジニン社フィルム制作)はタイトル通りの「兄弟」と「家族」をテーマに笑いと涙、感動を与える作品だ。

 映画は初め、兄弟のたわいもない言い合いや二人の愛情を一身に受けるミリョンの滑稽な詩の朗読などを登場させて爆笑を誘う。

 母親と息子の心温まるエピソードを並べてほのぼのとさせる映画は、突如として兄弟愛を強調するための流血アクション活劇に変化する。

 映画『友へ/チング』を連想させるような後半は、過度な暴力の濫発で心温まる家族愛を期待していた人々の眉をひそめさせる。

 それでもウォン・ビンのファンであれば120分間が退屈ではないだろう。坊主頭にしても、どぎつい釜山方言でまくし立ててもウォン・ビンはウォン・ビンだ。

 金海淑の本当の母親のような自然な演技も『うちの兄』をよりいっそう輝かす重要な役割をしている。公開は8日から。

スポーツ朝鮮/キム・ソラ記者 soda@sportschosun.com
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