韓流ブームの経済効果、期待を大きく下回る

 韓流ブームの経済効果が期待以下であることが分かった。

 22日、貿易協会貿易研究所が発表した「最近の韓流現況と活用戦略報告書」によると、代表的な文化コンテンツである映画、ドラマ部門の場合、韓流ブームが起こっている国よりも、そうでない国や地域への輸出増加率が高いことが分かった。

 昨年の韓流ブームが起こっている国への輸出は、ドラマと映画がそれぞれ2309万9000ドルと1654万ドルで前年の同期に比べ39.7%と90.4%に増えた一方で、韓流ブームがまだ起こっていない国への輸出はドラマと映画が997万7000ドルと1443万9000ドルで、それぞれ107.7%と135.9%という高い増加率を記録した。

 韓流ブームがまだ起こっていない国への文化コンテンツ輸出の80%以上を占める音楽アルバムを含んだ場合、ブームが起こっている国への輸出増加率の方が高かった。

 貿易協会は中国、日本、台湾、香港、シンガポール、ベトナムなどを韓流ブームが起こっている国に分類した。

 また貿易協会が韓流ブームの起こっている国との取引がある輸出企業99社を対象にアンケートを行った結果、韓流ブームが該当国の輸出に直接プラスになったと答えた企業は10%に過ぎなかった。

 66.6%の企業は韓流ブームがマーケティングや営業全般において間接的に役立つ水準だったと答え、直接的な輸出効果よりは相手先の韓国に対するイメージを高める水準にとどまることが分かった。

 韓流ブームで影響を受けた業種はアパレル、化粧品、家電製品、携帯電話などの消費財が中心だった。

 韓流を効果的に活用するためにはメディア、芸能、観光分野で産業的な次元だけで活用されてきた韓流現象を政策的な次元で国家イメージを高め、知識基盤のコンテンツや商品の輸出拡大機会に活用しなければならないと貿易協会は指摘した。

 このために専門人材の育成など、文化コンテンツの制作インフラの構築、韓流ブームが起こっている国との青少年を中心とした人的交流の拡大、文化的特性を考慮した地域別輸出マーケティング戦略の推進、香港スターTVなど広域媒体を通じて文化コンテンツの裾野を広げることなどが必要だと貿易協会は説明した。

 また低俗文化の輸出防止のために海外輸出用映画やドラマなどの事前審査システムの導入も勧めた。

 貿易協会の関係者は「今まで韓流ブームは芸能プロダクションや旅行会社によるスター中心の商業戦略だけで、文化的現象に対する体系的な活用戦略がなく、韓流の長期的持続に対する懸念となっている」と説明した。

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