「三度目の正直」でベネチア受賞狙う金基徳監督

 6日、ベネチアに向かう金基徳(キム・ギドク)監督の足取りは軽かった。

 2000年の『島』、2001年の『受取人不明』で2年連続してベネチア国際映画祭のメーンコンペティション部門に出品を果たしたがA受賞には至らなかった金基徳監督。

 映画『空き家』がベネチア映画祭に今年から新たに設けられた「Film Sorpresa」の資格でメーンコンペティション部門に出品され、“三度目の正直”での受賞を狙う。

 今年初めに行われたベルリン映画祭に出品した『ソマリア』で監督賞を受賞した金監督は、昨年の青龍(チョンリョン)映画賞で作品賞を受賞した『春夏秋冬そして春』が、先週末に全米公開から22週目を迎え、240万ドル(約29億ウォン)の興行収入を記録するなど、世界的に注目を集めている絶対的に有利な状況だ。

 10月に公開される『空き家』は暴力的で一方的な夫の愛に縛られ幽霊のように暮らしてきたソヌァ(李丞涓(イ・スンヨン)扮す)と留守の家を転々としているテソク(ジェヒ扮す)の出会いと心の傷を癒していく過程を描いた作品。 

 玄関の周りに張られたチラシが何日もそのままだったり、郵便受けがいっぱいの家は長い間留守にしている家だと見なし、中に入り込んでまるでその家の主人のように住み歩くという独特な設定だ。


 総制作費は7億ウォンに満たなかったが、金監督は今年の7月にたった13回で撮影を終え、「もとから低予算映画を作るノウハウがあるから、それほど悩む必要もなかった」と冗談交じりに語った。

 配給会社チョンオラムのチェ・ヨンベ代表は「『空き家』は作品性と同時にヒットの可能性も持ち合わせた作品。ベネチアからの朗報にも期待が寄せられ、全国の映画館からからの上映問い合わせも相次いでいる」と語った。

『スポーツ朝鮮/キム・ホヨン記者 allstar@sportschosun.com 』

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