林権澤(イム・グォンテク)は映画『シバジ』で87年に開催されたベネチア映画祭の主演女優賞を獲得したが、授賞式には参加できなかった。
当時、日本の映画関係者との先約ェあり、帰国せざるを得なかったからだ。
主縁覧D賞に輝いた姜受延(カン・スヨン)も同じだった。
まったく受賞を予想していなかったからだ。
そのため主演女優賞は現地に残った映画振興公社のチャン・ジョンモク氏が代わりに受け取った。
あれから17年が経った今年の9月1日、第61回ベネチア国際映画祭が開幕した。
11日まで行われる今年のベネチア国際映画祭には、22か国の作品がメーンコンペティション部門に出品、最高賞の「金獅子賞」受賞を目指して熾烈な争いを展開している。
林権澤監督は今回、メーンコンペティション部門に『下流人生』を出品、同映画祭2度目の受賞を狙う。
9日に開かれる『下流人生』の公式試写会に合わせ、7日に主演の趙承祐(チョ・スンウ)、キム・ミンソンをはじめ、制作を手がけたテフン映画社の李泰元(イ・テウォン)社長、鄭一成(チョン・イルソン)撮影監督らと共に現地に向かった林監督は帰国便のチケットを12日で予約した。
今回は直接授賞式に参加するという意味だ。
『下流人生』の公式試写会は9日。
もちろん今回の映画祭はマルコ・ミュラー執行委院長が語ったように、最高レベルの作品が多く、『下流人生』の受賞は簡単ではない状況だ。
アジアからの作品では『下流人生』と『空き家』の他に、候孝賢監督の新作『珈琲時光』と宮崎駿監督の『ハウルの動く城』に高い関心が寄せられている。
ジョナサン・グレーザー監督の『Birth』やインド出身のミラ・ナイール監督がメガホンを取った『Vanity Fair』、トッド・ソロンズ監督の『Palindromes』の3本の米国映画も注目を集めている。
ヨーロッパの映画ではドイツの巨匠、ヴィム・ヴェンダース監督の『Land of Plenty』、スペインのアレハンドロ・アメナバー監督の作品『Mar adentro』などが注目されている。
イスラエルに密売されて暴力と強姦に苦しむ東ヨーロッパの女性を素材にしたアモス・ギタイ監督の『Promised Land』も同様に注目の映画だ。
林監督は出発前に「すべてのことは現地に行けば分かるが、インタビューの予定が詰まっているだけに期待が持てる。何よりも17年ぶりにベネチアを訪れるのが感慨深い」と語った。
一方、今回のベネチア国際映画祭には今年のカンヌ国際映画祭でグランプリ(審査員特別大賞)を受賞した朴賛郁(パク・チャヌク)監督の作品『スリー、モンスター』が非コンペのミッドナイトエクスプレス部門に出品される。
『スポーツ朝鮮/キム・ホヨン記者 allstar@sportschosun.com 』