経済の中心地ホーチミンで住宅事業を進めているLG建設は、今月初めからVTV-1を通じてCMをスタートさせる予定だ。
韓国で爆発的な人気を集めたヒットドラマ『大長今』が週3回、全国で放送されていることに着眼、このドラマのヒロインで専属モデルのタレント、李英愛(イ・ヨンエ)を通じて認知度を高める計画だ。
『大長今』は現地で放送された韓国ドラマ初の時代劇だったのに加え、李英愛の化粧法は女性たちの間で流行となり、広告評価を高めるのに最も相応しいというのがLG建設側の判断だ。
芸能人が登場した例ではないが、昨年12月にベトナムで開催された第22回東南アジア競技大会(SEA Games)の期間中、LG電子とSKテレコムがサッカー・ワールドカップ韓日大会で韓国全土を真っ赤に染めたサポーター「レッドレビル」を再現した共同マーケティングも韓流人気を活かした成功例の一つとして評価された。
現地に進出した800の韓国企業は異口同音に韓流の恩恵を受けていると言う。これは現地で最も高い人気を集めるブランドが韓流であることを証明している。
現地の韓流事情に詳しい『映画世界』の記者は、ベトナム人が韓流に熱中する最大の理由は文化的な同質性のためだと分析する。
同記者はベトナムが韓国と同様に儒教の影響を受けた文化的な同質性を持っているため、韓流に対する拒否感がないと指摘する。また、現代化、産業化、都市化が進む中、忘れられつつある家族に対する愛情や大切さを韓国ドラマによって再確認できることも大きな役割を果たしていると説明した。
言い換えれば、既存の香港、フランス、ロシアなどのドラマとは違った家族愛や友情を軸に教育的なテーマをさまざまな姿で描き出す韓国ドラマには、視聴者を熱中させる韓流的要素がふんだんに盛り込まれているとも分析した。
また29歳以下の戦後世代が全体人口の半分を占めるベトナムの若者の目には現代的なイメージの出演者や華麗な背景、適切に挿入される音楽などの要素もドラマを中心とした韓流ブームを形成しているまた別の理由だと分析した。
ベトナム国立音楽舞踊院長も儒教を基本とした文化的な同質感だけでなく、歴史的な同質感も韓流が人気を集めている理由だと指摘した。
同院長はまた、韓国の芸能人の洗練された演技力、魅力的なドラマ展開、華麗な衣装や舞台装置などもベトナムの人々を自然と韓流に夢中にさせる要素だと説明した。
ハノイのモデル事務所の経営者も、最近所属モデルたちの間で「ヨボセヨ(もしもし)」と韓国語で電話に出ることが流行となっているなど、日常生活にも徐々に韓流が浸透しつつあると話した。