日本公開の韓国映画 興行成績で徹底分析

 『実尾島』(日本タイトル『シルミド/SILMIDO』)は日本列島への上陸に失敗し、『太極旗を翻して』(同『ブラザーフッド』)も日本の空に翻ることができなかった。

 今年6月、相次いで日本で公開された映画『実尾島』と『太極旗を翻して』が当初の期待を大幅に下回る結果に終わっていたことが分かった。

 何人かの韓流スターの人気や現地での韓国ドラマの成功が韓国映画のヒットには結びつかなかった。

 日本の映画会社は公開映画の観客動員数も興行収入も公開していないが、現地の映画記者などによれば『実尾島』は約50万人ほどの観客動員を記録して6億~7億円(約68億ウォン)程度の興行収入を記録したという。

 一方、韓国の投資会社「ショーボックス」が明らかにした『太極旗を翻して』の日本での興行成績は約10億円(約104億ウォン)。まだ数か所の映画館で上映中ではあるが、最終的な観客動員数は85万~90万人と見込まれる。

 こうした数字は『太極旗を翻して』が320か所、『実尾島』が250か所という韓国映画としては史上最大規模のスクリーンで公開され、出演者らの日本訪問や多額のプロモーション費用を投じたことを勘案した場合、散々たる結果に終わったことになる。

 4年前に『シュリ』が打ち立てた記録にも遠く及ばない結果で、『共同警備区域/JSA』よりも少し落ちるほどだ。両映画の日本での観客動員数はそれぞれ130万人と100万人だった。

 日本での失敗要因として専門家らはハリウッド超大作の影響を挙げている。『スパイダーマン2』『デイ・アフター・トゥモロー』『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』など、ハリウッド映画が2本の韓国映画が公開された6月と7月にボックスオフィスの上位を独占した。

 戦争映画であったことや韓国の歴史が日本人には理解しにくかったという説明には説得力がある。

 ショーボックス海外配給チームのチェ・ジョンファン氏は「『太極旗を翻して』のターゲットが日本の主な観客層に比べ年齢が高かったのに加え、韓国戦争についても良く分からないことから難解に感じられた可能性もあり、日本では戦争映画があまり人気がないなどの点も悪影響を及ぼした」と分析した。

 しかし同氏は「張東健(チャン・ドンゴン)といった新たなスター俳優を知らせるきっかけになり、映画を観た観客の反応も良かったことから、韓国映画に対する良いイメージを植え付けることはできた」とプラス面も説明した。

 華々しく公開された『太極旗を翻して』と『実尾島』が期待以下の結果に終わった中、5月に公開されて現在も上映中の映画『スキャンダル/朝鮮男女相悦之詞』(同『スキャンダル』)は最も好成績を収めている。

 他の韓国映画に比べて半分以上も少ない118か所のスクリーンで公開された『スキャンダル…』は、今月6日の時点で62万2302人の観客動員を記録し、7億9435万円(約83億5千万ウォン)の興行収入を上げ、現時点の興行収入はすでに8億円を突破したものと見られる。

 国内投資会社CJの関係者は「ペ・ヨンジュンが主演した韓国ドラマ『冬の恋歌』(日本タイトル『冬のソナタ』)のヒットが影響したが、上映期間中の観客減少率が20%前後に抑えられたのも大きかった」と説明した。

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