「芸能産業が韓国経済を復活させると信じています」
筆者が本紙に5年間掲載した「芸能街ファイル」というコーナーの最終回に書いた言葉だ。
また「韓流を利用すれば天文学的な外貨を獲得することができる。BoAの価値が1兆ウォンで、『冬の恋歌』(日本タイトル『冬のソナタ』)、『秋の童話』(同『秋の童話 ~オータム・イン・マイ・ハート~』)のような名作ドラマを制作すれば数千億ウォンの経済的効果を生むことができる」と『芸能学特別講座』でも再三にわたって主張してきた。
しかし、最悪の不況の中で誰一人として筆者の意見に耳を傾けてくれる人がいなかったのは非常に残念だった。
ところが今月16日、韓国芸能界に衝撃が走った。『砂時計』を制作したプロダクションと国内最大規模を誇るマネージメント会社が筆者の考えをそのまま反映したような超大型ドラマを共同制作すると発表したのだ。
このドラマが芸能界全体を驚かしたことは一つや二つではない。
第一に単独での出演でも大ヒット間違いなしのクォン・サンウ、宋承憲(ソン・スンホン)、金喜善(キム・ヒソン)の3人が揃って出演するのだ。
第2に出演料がドラマ一回あたり2000万ウォンというのも国内最高記録となる。
第3に制作費が全20話で76億ウォンというのも国内最大規模となる。
第4に企画段階から国内よりもアジア市場を念頭に置いて制作され、来月には映画『パール・ハーバー』のように日本、中国、東南アジアなど、全世界のメディアを対象に大規模な制作発表会を開催するという。
さらに驚きなのは、この制作発表会のために制作される予告編一本に12億ウォンが投じられるというのだ。これは通常に制作される映画一本の制作費に相当する額だ。
この他にもこのドラマにはドラマ自体が創出することができる奇想天外な新たなマーケティング手法のすべてが導入されるという。
次週に放送されるドラマの内容が事前にアニメで制作され、ストーリーの展開が気になる視聴者の要求を満たす。
このアニメは携帯サイト用にも別途に制作され、いつでもどこでも携帯電話でチェックすることができるという。
ドラマの内容はゲーム化され、ドラマに登場する歌手は実際にもデビューするという。
また、ドラマそのものをブランド化させ、出演者がドラマで着る衣装から化粧品に至るすべてを企画し、すでにスポンサー側から50億ウォンに上る額を提示されているという。
筆者が望むことは、ただ一つだ。どんなドラマであってもスポンサーのためにドラマの質を落とさないでほしいということだ。
76億ウォンという巨額が投じられるこのドラマを通じて制作会社は1500億ウォンの収益を上げると予想しているという。
しかし、目先の利益だけを狙おうとせず、ドラマのクオリティーに重点を置けば、韓国ドラマ全体のブランド価値は飛躍的に上昇するだろう。
こうした完成度の高いドラマがコンスタントに制作されれば、現実に芸能産業が韓国経済を復活させる日が訪れると筆者は信じている。
ペク・ヒョンラク/放送作家