2ndアルバム『810303』で大胆イメチェンしたユジン

 ダンス系アーティストを歌唱力で評価するのは矛盾している。90年代に一世を風靡したH.O.TやS.E.S、ブリトニー・スピアーズやBoAがまさにそうだ。彼らには歌唱力以上に重要なダンス、ルックス、ファッションのスタイルがある。

 そうした面から見ても最近2枚目となるソロアルバムをリリースした元S.E.Sのユジンは、自分の歌声のすべてをよく把握しているアーティストと言える。

 昨年の初めにリリースした1stソロアルバムに収録されたダンススタイルの曲『cha cha』でアーティストとしての可能性を広げた彼女は、今回のアルバムでヒップホップやR&Bの要素をふんだんに取り入れた楽しいダンスミュージックの数々を聴かせてくれる。

 ニューアルバムのタイトルには彼女の生年月日である「810303」と付けた。新しく生まれ変わるという意味を込めて誕生日をアルバムのタイトルにしたと言う。

 まだ23歳だというのに新たに生まれ変わるとは多少オーバーな感じもするが、 S.E.Sのデビューが97年だったことを考えると、彼女はすでに7年も人々の前で歌を歌い続けてきたことになる。

 「レコーディング前から音楽的にもスタイル的にも大きく変化をして成熟した姿を見せなければと決心しました。なのでリードトラックもリズムが強調されていて、メーキャップや衣装も今までにないインパクトのあるイメージにしました。ファン層も広がればと思っています」

 マネージャーが横から「あまりにも雰囲気が変わったので、周りから整形手術でもしたのかとよく言われる。イメージチェンジに成功したと思った」と口を挟んだ。

 ユジンはチョ・ギュマン、ファン・セジュン、ホ・ジェヒョクといった作曲家らと共に音楽についてとことん話し合ったと言う。「ここまでたくさん私がアルバムに関わったのは今回が初めてで、とても新鮮でした」
その話し方や表情からして初のソロアルバムをリリースした当時とはまったく違って見えた。

 アルバム全般を通してユジンの歌声は確かに変わった。ヒップホップスタイルのリードトラックの『Windy』や女性コーラスとプログラミングが印象的な『ハッピータイム』、ラテンギターが心地よい1曲目の『暴風の丘』の彼女が歌う声は偽悪的なほどにセクシーだ。

 ピアノと弦楽器のみの伴奏で歌ったバラード『遅れた愛』はユジンの新たな魅力を感じさせてくれる曲だ。パク・キヨンやソ・ヨンウンといった歌手のような叙情的な曲で、ユジンは一度も声を張り上げずに優しく歌い上げている。ユジン曰く「ここまでリズム感のないバラードは初めて歌った」と言うほどだ。

 最後に収録されている『810303』はたった19秒の曲だが、ミュージカルで場面転換をする時に使われる効果音のように聴こえる。この曲には『To Be Continued』とサブタイトルが付けられている。

韓賢祐(ハン・ヒョヌ)記者 hwhan@chosun.com
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