映画『スリー、モンスター』で再び変身を遂げた李炳憲

 最近、俳優の李炳憲(イ・ビョンホン)は本当に忙しい。

 デビュー以降、初めて『誰にでも秘密はある』『スリー、モンスター』『甘い人生』と3本続けて映画に出演しているためだ。それも3本ともすべてが初挑戦となる役柄ばかり。

 だからだろうか、目の周りには隈ができて本当に疲れきったように見えた。しかし、先日に試写会を行った『スリー、モンスター』の話を始めた途端、表情が笑顔に変わって長々と映画の自慢話を続けた。

 20日に公開される『スリー、モンスター』は朴賛郁(パク・チャヌク)監督、日本の三池崇史監督、香港のフルーツ・チャン監督という韓国、日本、香港を代表する3人の監督がメガホンを取ったオムニバスホラー映画。

 李炳憲はこのうちの朴賛郁監督が手がけた『憎悪』編で、裕福な環境とピアニストの妻(カン・ヘジョン)を持ち、恵まれた環境の中で生きてきたが、自分を切迫した状況に追いこむテロリスト(イム・ウォンニ)によって隠された悪魔性を現わす映画監督のリュ・ジホ役を演じた。





 『憎悪』編はカン・ヘジョンに無理やり切られた指がミキサーにかけられたり、李炳憲が少年の首を折って殺したりするなど、上映制限を受けるだけの残酷なシーンで満たされているが、李炳憲は笑いを耐えるのに苦労したという。

 「元から一度笑ってしまうと続けてNGを出すようなタイプではない。それでもイム・ウォニさんが思い切り罵倒する姿を見ていたら卑屈な表情をしなければならないシーンで急に笑いが込み上げてきてNGを10回も出してしまった。それだけ現場が明るく楽しい活気に溢れた雰囲気だった」

 李炳憲が語ったように『憎悪』編は恐怖とユーモアの中間を描いており、どちらか一方にだけ没頭させない絶妙な綱渡りが続く。

 李炳憲は『憎悪』編の独特なハーモニーに対して満足しながらも「ホラー映画だからといって構えてしまえば、ユーモアに溢れた映画の細部を見逃してしまう」と力を抜いて楽しんでもらえればと言う。

 李炳憲は今月10日から次の出演作『甘い人生』(金知雲(キム・ジウン)監督、映画社「ポム」制作)の撮影に入った。

 この映画で李炳憲は冷徹な知性と判断力を兼ね備えたホテルマネージャーを演じ、体当たりのアクションを披露する。

 李炳憲は「恐らく私の人生で最も過酷な日々になるだろう」とこぼしたが、彼の新たな変身に多くの期待が寄せられている。

スポーツ朝鮮/シン・ナムス記者 delta@sportschosun.com
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