土砂降りの雨の中、道衣を着て長髪を束ねた一人の格闘家が刀を持った日本の侍を次々と倒していく。
裸一貫で日本に渡り、逆境を乗り越えて成功を手にした伝説の格闘家、崔倍達(チェ・ペダル/日本名:大山倍達)の一代記を描いた映画『風のファイター』(梁允豪(ヤン・ユンホ)監督、アイビジョンエンターテインメント制作)への出演を通じて、新たなアクションスターとしての位置を築いた梁東根(ヤン・ドングン)は、クランクアップから一か月が経った今も鋭い目をしていた。
ドラマ『勝手にしやがれ』で代役を使わないアクション演技ですでにアクション俳優として認められていた梁東根だが、今回の映画はドラマとは比較にならないほどにハイレベルな技術を要求された。ほとんどのシーンを代役なしで演じきったが、やはり最も苦労したのは対決シーンだった。
「アクションシーンは死ぬ気になってやれば問題はありませんが、他人を殴るシーンはいくら演技とはいっても中々慣れませんでした。むしろ殴られたほうがましです(笑)」
すねには熱演の証である傷跡が残っていた。最後の撮影時にはあごと喉の間に攻撃を受けて気を失ったという。
素手で氷を持ったり、漢拏(ハルラ)山の雪原を歩いたりするなど、ほとんどのアクションシーンが冬に撮影されたため、すべてを鮮明に憶えているという。
また、実在した人物を演じなければならなかったため、非常にプレッシャーを感じたという。英雄である以前に、非常に人間的な崔倍達という人物を演じなければならなかったからだ。
梁東根は「英雄の姿を完璧に演じるために全力を尽くしました。ぜひ期待してほしいです」と自信を語った。8月12日公開予定。
『スポーツ朝鮮/ナム・ジョンソク記者 bluesky@sportschosun.com 』