「ASOTO UNION」解散が示すインディーズシーンの危機

 今月21日、湖巌(ホアム)アートホールで「ASOTO UNION」の公演が行われた。ノリのいいキム・バンジャンのボーカルとドラム、ファンキーなサウンドを奏でるイム・ジフンのキーボード、魅力的なユン・ガプヨルのギター、肩を出した長いドレスを着たキム・ムニのベースが一体となった楽しいステージだった。

 ところが公演の最後にキム・バンジャンが「今日がASOTO UNIONにとって最後のステージになる」と言い出した。オーディエンスは突然のこの言葉に唖然とした。

 「ASOTO UNION」は当分の間、充電期間に入るというのだ。キム・バンジャンは「いつまたステージに戻れるかも、再び一緒に音楽ができるかも分からない」と語った。

 キム・バンジャンとユン・ガプヨルは「WINDY CITY」というプロジェクトバンドを作る予定で、イム・ジフンとキム・ムニもそれぞれ音楽活動を続ける予定だ。誰も「解散」とは言わなかったが、事実上の解散と同じだ。

 「ASOTO UNION」は弘益(ホンイク)大学前の通りで公演を行っていたストリートバンドだった。アルバム発売時もレコード会社から「3000枚くらい売れたら上出来」と言われる程度だった。ところが、実際には2万5000枚以上のセールスを記録、湖巌アートホールから公演依頼を受けるほどの人気を集めるようになった。

 「ASOTO UNION」の活動停止はメンバー間の意見の食い違いによるもの。そう簡単には出演することのできないテレビの音楽番組への出演もメンバー同士「出る」「出ない」で揉めたという。絶対的なリーダーも存在せず、所属事務所側も彼らをコントロールすることができなかった。

 「ASOTO UNION」の今回の決定は、規律のないインディーズシーンの“音楽的プライド”がバンドを解散させるほど危険であることを示した。

 かつて一人のインディーズミュージシャンが酒に酔いながらこんなことを言った。「有名になるのは最悪だ」。有名になって忙しくなること、所属事務所の要求が増えることなどはごく自然なことだバントとはそうしたことを乗り越えて成長するものだ。。

 アルバム1枚で解散するメンバーたちも辛いが、彼らの音楽に期待を寄せていた多くのファンはそれ以上に辛い。

韓賢祐(ハン・ヒョヌ)記者 hwhan@chosun.com
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