『あいつは格好よかった』で不良学生に挑んだ宋承憲

 「クールなアイツが帰ってきた」

 整ったルックス、魅力的な目、そしてソフトな口元からは甘い言葉を発して上品さを兼ね備えた女性にとっては申し分のない“白馬に乗った王子様”。

 童話の中から飛び出してきたようなキャラクターで多くの女性たちを魅了してきた宋承憲(ソン・スンホン)が、今までのソフトなイメージから脱皮して不良学生に変身した。

 ネット小説家のクィヨニ(本名:イ・ユンセ)の同名ベストセラー小説を映画化して22日に公開された『あいつは格好よかった』(李煥慶(イ・ファンギョン)監督、(株)BM制作)で宋承憲は、反抗的で喧嘩早いチ・ウンソン役に挑戦した。

 宋承憲は今回の映画で今まで口にしたことのないような言葉を発し、きれいだった体には無数の傷の跡が残っていた。

 子どもの頃にエイズで父親を亡くしていじめに遭い、いつも一人ぼっちで過ごした心の傷を反抗心に変えて世間に対して向けるが、ファーストキスを奪った恋人のハン・イェウォン(チョン・ダビン)を守るためなら命懸けになるなど、最近では珍しい純情派でもある。

 ロケ現場で偶然にクィヨニの小説を読んで心の傷を抱えながら人生を生き抜いていくチ・ウンソンという人物に感銘を受けて自ら出演を要望した宋承憲は、2週間で5キロの減量をしたのをはじめ、リアルなアクションシーンのために武術の練習も欠かさなかった。


 しかし、十代よりも三十代に近い年齢のためか、初めはあまりにも度が過ぎる暴力的なシーンや高校生の飲酒シーン、人を罵るような台詞の多さに戸惑ったのも事実。

 「原作の良さを活かしきれなかったらどうしようかと思って心配だった。ウンソンは乱暴で無鉄砲だが、その裏に隠されたピュアな面に共感した。今までのソフト路線から脱皮して世の中から歓迎されないような役にこれからも挑戦していきたい」

 海で溺れ死んだ先輩との回想シーンのために、寒波吹き荒れる昨年の冬に海の中で撮影した時と、撮影に疲れてキスシーンの時にうっかり寝てしまい、チョン・ダビンに恥をかかせて顔向けできなくなってしまったなど、おもしろいエピソードを話してくれた宋承憲は、映画が十代の感情に合わせて作られていて他の世代に拒否感を与えるのではと指摘されていることについてこう語った。

 「ただ幼稚だと一言で片付けるのではなくて、最近の十代が何を思って何に悩んでいるのかを親子が揃って話せるように楽しく映画を観てほしいと思います。甘い初恋の日々もぜひ思い出してみてください」

『スポーツ朝鮮/ナム・ジョンソク記者 bluesky@sportschosun.com 』

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