映画『力道山』の中谷美紀インタビュー

 「私は本当に熱烈な韓国映画ファンです。最近では日本映画が追いつけないほどに先に進んで行く韓国映画の華々しい発展に驚いています。時間がある度に家で韓国映画を楽しんでいます。個人的に好きな韓国の監督や俳優さんと一緒に映画を撮る機会を得られてとても嬉しいです」

 日本で活躍した伝説的プロレスラー「力道山」(本名:金信洛(キム・シルラク)/日本名:百田光浩)の一代記を描いた映画『力道山』(サイダス制作)で力道山(薜景求(ソル・ギョング)扮す)と恋に落ちるヒロインを演じる日本の人気女優、中谷美紀は自身を韓国映画ファンと紹介した。

 中谷は今回の映画で芸者として働き、1940年の日帝時代に朝鮮から日本に渡って相撲力士として活躍した力道山と出会って恋人関係に発展、波乱万丈の人生を生きながらも生涯にわたって力道山の心の支えになった妻のアヤを演じている。

 中谷は清楚さと上品さを兼ね備え、夫のためにすべてを捧げて力道山の怒りや苦悩を自分のことのように心を痛める妻役を演じる。

 中谷は今月8日、日本の広島県に作ったオープンセットで『力道山』の日本現地でのロケを終えた。

 中谷は韓国ではまだ無名だが、日本では演技派として知られている人気女優だ。『リング』『カオス』『ホテル ビーナス』などの映画の他、『真夏のメリークリスマス』『恋するトップレディ』『おとうさん』などのドラマにも出演した。その他にも歌手やモデルとしても活動している。

 「本当に素晴らしい役を演じることになってうれしい」と言う中谷は『力道山』のメガホンを取ったソン・ヘソン監督の前作『パイラン』のみならず、共演の薜景求が主演した『実尾島』(日本タイトル『シルミド/SILMIDO』)『オアシス』『ハッカ飴』(日本タイトル『ペパーミント・キャンディー』)などの映画をすべて見るなど、韓国映画にすっかり魅了されたと言う。

 中谷は『力道山』で今回共演した薜景求とは特別な縁を持っている。2001年にNHKが制作したドラマ『聖徳太子』ですでに薜景求と共演しているのだ。

 中谷は当時「薜景求さんの演技で一生忘れることのできない表情を見た。本当にすばらしい俳優」と絶賛していた。

 また、今回の『力道山』に出演するために約23キロも体重を増やしてすっかり太った薜景求の姿を見て「個人的にはスマートな男性が好きで太っている男性はあまり好きではないが、太っている男性もそう悪くないと思えるようになった」と笑いながら語った。

 中谷は日本の国民的英雄「力道山」についてどう考えているのだろうか。

「力道山は第二次世界大戦に敗れ、沈みきっていた日本人に希望と勇気を与えた日本社会の光のような 存在で、今までは体だけが大きい男性だと思っていましたが、今回の映画に出演しながらデリケートで繊細な人物なだけでなく、人生の裏側に暗い影が潜んでいることを知りました」

 中谷は納得のいく映画を撮影するために長時間を費やす韓国映画の制作方法についても羨ましさを見せて賞賛の言葉を惜しまなかった。

 日本映画の撮影期間は通常1カ月ほどで、長くても3カ月は越えず、短い場合には3週間で一本の映画を完成させるが、韓国の映画スタッフは1シーンでも時間をかけて完璧に撮影するという話しだ。

 「今までこんなに余裕のある現場を経験したのは初めてです。日本映画から見れば本当にぜいたくな現場と言えるほどです。太陽の角度が悪いという理由で30分以上待ったことがありましたが、本当にうらやましいと思いました。それでも常に笑顔でてきぱきと仕事をこなす韓国のスタッフの姿を見ながら多くのことを学びました」

 映画『力道山』はこの日、日本でのロケをすべて終え、8月からは富川(プチョン)に設置されたオープンセットで本格的にプロレスシーンの撮影に入る。遅くても9月末までにはクランクアップし、力道山の41周期にあたる12月15日に国内で公開される予定だ。

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