【康漢燮コラム】日本の韓国映画ブームは本物か?

 『実尾島』(日本タイトル『シルミド/SILMIDO』)と『太極旗を翻して』(日本タイトル『ブラザーフッド』)の日本での興行成績が発表された。6月5日に公開された『シルミド/SILMIDO』は公開第1週目に4位を記録し、その後もボックスオフィスの10位以内を維持している。

 先週末の成績は7位。しかし、すでに5週間連続して10位以内を維持している。6月26日に日本全国300カ所のスクリーンで公開された『ブラザーフッド』も初登場4位を記録したが、興行収入は『シルミド/SILMIDO』を上回った。

 週末の2日間で13万3500人の観客動員を記録し、入場収益は約1億9360万円に達した。先週末もボックスオフィスの4位を記録し、4日までの観客累計は41万1717人に達している。

 100億ウォン以上が投じられるこうした超大作は、韓国という小さな国内市場だけをターゲットにしては制作が成り立たない。それだけに1000万人の観客を動員する新たな時代を切り拓いた両作品の日本での興行成績は、忠武路(チュンムロ/韓国映画の中心地)の映画産業の全盛時代が続くかどうか、若しくは短期的なブームで終わるのかを決める重要な変数と思われてきた。

 それでは両映画の興行成績をどう解釈すればいいのか?成功なのか、失敗なのか?読者ははっきりとした答えを聞きたいだろう。しかし、正解は成功だが失敗、または失敗だが成功だ。これがどんな言葉を意味しているのか?それは「まだよく分からない」という意味だ。

 映画の興行成績とは恐ろしい。1位になって初めて評価されるのだから。こうした視点から見れば、公開1週目に4位という成績は成功とは言えない。


 『シルミド/SILMIDO』は2000年に日本で公開されて興行的に大成功した『シュリ』の記録に遠く及ばずにいる。『ブラザーフッド』も現在の状態では『シュリ』の記録を更新できるかは未知数の状態だ。

 しかし、両映画の興行成績に対して否定的になる必要はない。共に世界で2番目の規模を誇る日本市場でハリウッドの大作と肩を並べているのだから。

 韓国映画の可能性は期待だけではなく、実際の数字で証明されているのだ。

 韓国の人々は何故か日本を見下す傾向がある。韓国の大衆文化が日本を席巻していると思っている人も多い。

 しかし、『シュリ』は日本で成功作として分類される興行収入10億円を超えたが、2000年に日本で公開された外国映画部門の興行成績では15位にとどまり、日本映画を含めた場合には20位を記録しただけだ。

 2002年の統計を見ると日本の国内総生産は約4兆ドル。韓国の5200億ドルの約8倍だ。日本はそのくらい巨大な国だ。韓国映画は今、日本で市場を形成する初期段階にある。日本というレベルが高く、巨大な市場に韓国映画を観る観客層が存在する。そのこと自体が驚くべきことだ。

 しかし、韓国映画を観た日本の人々の満足度はそれほど高くない。だから今まで以上に韓国の映画人は頑張らなければならない。これが結論だ。

康漢燮(カン・ハンソプ)/映画評論家・ソウル芸術大学教授ksubi@naver.com

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