韓国産ホラーにはない恐怖感 日本映画『着信アリ』


 『着信アリ』(9日公開)は三池崇史監督の韓国初公開となる作品だ。2000年の富川(プチョン)国際映画祭で上映されたホラー映画『オーディション』が話題となり、その名を知られるようになった三池崇史監督は、多作が裏目に出ることはあるが、抜群の映像感覚と奇妙な想像力で独自の作品世界を構築して実力を発揮してきた監督だ。

 『着信アリ』は携帯電話の伝言メッセージを通じて予告された通りに次々と友達が死を遂げるなど、中村由美(柴咲コウ)という女子大生が経験する恐怖を描いたホラー映画だ。

 ハリウッド映画『ファイナル・デスティネーション』のように始まり日本映画『リング』のように終わるこの不思議なホラー映画は、再び見直しても不可解なストーリーラインを持っている。

 しかし、この映画には長く悪夢として残るような薄気味の悪い多くのイメージが暗い洞窟の中にいるコウモリのように集まっている。

 足の指の爪を深く切る姿が印象的な挿入画面から、有刺鉄線が一つずつ連続的に切れる時のような雰囲気のシーンに至るまで、予想外な画面の数々がストーリーに乱入して奇怪な風景をもたらしている。

 驚かせはするが、恐怖を感じさせるには物足りない今夏の韓国産ホラーとは違い、『着信アリ』は文字通り「恐怖のホラー映画」だ。

李東振(イ・ドンジン)記者 djlee@chosun.com
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