「日本は韓国の音楽業界にとって多様性の宝庫」

 日本の音楽産業と市場を見る度に思うことはただ一つ。単純明快に「うらやましい」。隣国の大衆音楽の歴史は韓国よりも長く、産業規模も比較にならないほど巨大だ。

 ニューヨークに本社を置くソニーミュージックの韓国支社は社員が30人で、日本支社は3000人だ。昨年の韓国のアルバム産業規模が1800億ウォンであったのに比べ、日本の大手レコード会社「エイベックス」一社の年間売り上げが8000億ウォンだ。

 単純に日本が韓国よりも100倍は先に進んでいるということになる。

 先週末、東京・代々木第一体育館で日本のロックバンド「L’Arc~en~Ciel」の公演が行われた。サッカースタジアムほどの会場には1万6000人のオーディエンスが埋め尽くし、2時間にわたって行われた公演は大いに盛り上がった。

 人波が絶えない渋谷駅前の大型スクリーンには常にプロモーションビデオが流されていた。大型レコード店に行けば若者で溢れかえり、CDを視聴したり選んだりしている。6階建ての1フロアすべては日本のインディーズ音楽を専門に扱う売場だった。

 プロダクションがアーティストを発掘して育て上げるといった点は日本が韓国よりも遥かに進んでいる。しかし、韓国のように一部のアーティストが市場を独占するようなことはしない。

 人気アイドルからベテランのロックバンド、実験精神旺盛なインディーズバンドに至るまで、それぞれがファンを抱えて棲み分けをはっきりとさせているのが日本の音楽シーンだ。

 しかし、韓国にも彼らが羨むようなアーティストがいる。ソニーミュージックジャパンの関係者は「先日、パク・チョンヒョンとキム・ユナの日本公演を見たが、本当に歌が上手かった。どんな日本のアーティストでも二人の実力には敵わない」と絶賛した。

 実際に韓国人アーティストの実力は世界的なレベルにある。ならば何が日本と100倍もの差を作っているのだろうか。韓国の音楽界が進むべき道のヒントがそこにはある。

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)記者 hwhan@chosun.com
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