連日徹夜で撮影中の高視聴率ドラマ『パリの恋人』


 先月30日、ソウル市・鍾路(チョンノ)区・昌信(チャンシン)洞。SBSテレビの特別企画ドラマ『パリの恋人』でカン・テヨン(キム・ジョンウン扮す)の家として登場する屋上の部屋。

 午後4時20分。この場所でテヨンに愛を告白したユン・スヒョク(イ・ドンゴン扮す)が、ハン・ギジュ(朴新陽(パク・ シニャン)扮す)をテヨンの家に呼んで彼女に対する自分の想いを気づかせようとする。テヨンの家から荷物を運び出した翌日に訪れ、「僕の心はここにある」と言うスヒョクの言葉を聞いてテヨンが驚くというシーンを撮影していた。

 本来シナリオにはテヨンが声を荒げるとあったが、テヨンがスヒョクを慰めるシーンに変わった。これについてシン・ウチョル監督は「シナリオ通りにいけば、非常に暗い雰囲気になると心配して明るいトーンに変えた」と説明した。

 長編ドラマを初めて演出するシン監督は、初打席からいきなり場外ホームランを打ったような快挙を成し遂げている。パク・マンチャン照明監督とモニターに見入って演技の指示を出すシン監督は、「ドラマは人気があるが、現場ではそれを実感する暇がない」と語った。

 屋上の部屋でのシーンをすべて撮り終えたキム・ジョンウンは「今朝まで42時間連続して撮影をした。今夜も炭峴(タンヒョン)スタジオで撮影した後、昨日すべて終わらなかったプールでのシーンを撮る予定で、いつ終わるか分からない」と溜息をついた。

 キム・ジョンウンは「ここで倒れたら、このドラマはどうなるのかと、自分に言い聞かせて堪えているが、視聴率がパワーの源になっているのも事実」と語った。超ハードスケジュールに耐える朴新陽も同様に「何も考えずに惰性で撮影しているようで、それが一番心配」と語った。

 ハードなドラマ制作事情は、最近では視聴者も良く知っている。それでも視聴率が上がれば、現場の雰囲気は良くなる。

 朴新陽がキム・ジョンウンを「とても柔軟な演技力を持っていて動きに対する反応のバリエーションが多い」と誉めると、キム・ジョンウンはむしろ朴新陽のお陰だと、こう語った。

 「新陽さんには存在感があります。カリスマのある人が守ってくれるので、安心して自由に演じられます。アドリブは私一人でやっているわけではありません。新陽さんと十分に話し合ってから演じるので、多くのことを学んでいます」

 この日のロケ現場には多くの女子高生や近所の主婦が集まり、黒山の人だかりとなった。あるスタッフは「他の撮影チームはMBCが建てたこの屋上の部屋で撮影をして近所の主婦とトラブルになったと言うが、このドラマの撮影が始まると主婦の皆さんの表情が明るくなる」と、ドラマ人気を何気なく自慢した。

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