ヒップホップグループ「DJ DOC」のラッパー、イ・ハヌルと女性5人組グループの「Baby V.O.X」が法廷で争う姿勢を見せている。双方の対立はBaby V.O.Xのニューアルバムに対してイ・ハヌルが露骨に攻撃して始まった。
Baby V.O.Xはニューアルバムのリードトラック『Xcstasy』にギャングスタラップの一時代を築き上げた伝説的ラッパー「2PAC」の未公開音源を使用した。2PACは1996年にギャングスタラッパーのノトーリアスBIGとのトラブルから銃弾に倒れ、25歳の生涯に幕を閉じた。
事の発端は4月8日に2PACの母親が設立したアマルミュージックが「Baby V.O.Xが2PACの音源を無断で使用した」という立場を明らかにして始まった。今月2日、音楽専門チャンネル「m.net」の番組『HIP HOP the vibe』に出演したイ・ハヌルは「なぜ2PACを二度殺すのか。素直に謝れ」と攻撃した。
これに対してBaby V.O.Xの米国人プロデューサー、フロスPは「2PACは生前にもBaby V.O.Xのような女性グループとコラボレーションするのを好んだ。米国のヒップホップを真似ただけのイ・ハヌルは自分に合ったレベルの音楽を作れ」と反撃した。
またイ・ハヌルがネット上で「彌阿里(ミアリ/風俗街)ボックス」「セックス歌手」といった侮蔑の言葉を浴びせてBaby V.O.Xを攻撃したことから、さらに事態が悪化した。
これに対してBaby V.O.Xの所属事務所がイ・ハヌルに公式謝罪を要求し、イ・ハヌルは「Baby V.O.X側から『ヤクザを送る』という脅迫電話を受けた」と反発、いまだ問題は未解決のままでいる。
現在Baby V.O.Xはイ・ハヌルを相手に名誉毀損の訴訟などを検討している。しかし、イ・ハヌルは「彌阿里ボックスといった表現は確かに行き過ぎたが、Baby V.O.Xの曲が2PACの名誉を傷つけたという考えに変わりはない」と主張を曲げていない。