よく作られた「フュージョン時代劇」 日本映画『あずみ』


 「フュージョン時代劇」はちょっと違った映画をつくりたいと考える監督たちにとって、かなり刺激的で魅力的な素材だ。伝統的なジャンル劇の「神聖な重み」を脱ぎ捨てた時、フュージョン時代劇は些細な設定までもがとてつもない冒険に見えてくる。

 『ロック・ユー!』や『黄山(ファンサン)平野』のように、フュージョン時代劇は新しいものを追求する者にとっては新鮮度100%の「多国籍料理」になるが、「正統料理」が好きな者には“不良食品”とけなされる。

 北村龍平監督は低予算映画『VERSUS』で人里離れた山奥を舞台にゾンビたちの肉弾戦を奇怪な残酷さのイメージで描き、日本映画の次世代の旗手に挙げられた。漫画を原作にした『少女剣客あずみ』(原題『あずみ』、25日公開)で北村監督は前作よりも旺盛なユーモア感覚でフュージョン時代劇を作り上げた。

 山の中で育った10人の刺客たちが山を降りる前に最も親しい友人を殺すという設定は、この映画が「スピード」に力を入れていることをほのめかす。徳川幕府の混乱の中で反乱を狙う者を抹殺するあずみ(上戸彩)は「ナチュラル・ボーン・キラー」として滞りなくことを処理するが、「私が殺した人は悪人なのか」という疑問に囚われる。

 しかしこうした少女の内的葛藤は重要な対決のたびに稲妻や風が吹き荒れるといった「常套手段」とパロディー場面のせいで深みが増すことはない。テクノ音楽とスピーディーな画面、刺客たちのエピソードが合わさり、このドラマは血と笑いのない交ぜだと自らを定義する。

 この映画のフュージョン時代劇としての魅力は、剣客たちが旅芸人の曲芸師と同質のような印象を与えるくだりだ。剣客と曲芸師を家のない子ども、同じところに戻れない子どもとして想定することで、監督は数多いサムライムービーの鉱脈のひとつを掘り当てたという印象を与える。B級映画マニアのための映画だ。

パク・ウンジュ記者 zeeny@chosun.com
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