「世界のリゾート「クラブメッド」の韓国支社が、車太鉉(チャ・テヒョン)、成宥利(ソン・ユリ)出演のMBCドラマ『皇太子の初恋』に全面的な協賛をして注目を集めている」
「クラブメッド」韓国支社が最近配布した報道資料の冒頭に書かれている文句だ。23日からスタートするドラマ『皇太子の初恋』は、海外リゾートの「クラブメッド」を中心の舞台にしている。
バリ、タヒチなどのリゾート地で撮影期間中、制作、出演陣に宿泊や食事を提供する代わりに“間接広告”の効果を狙う同社は、初めから「当社のリゾートが『皇太子の初恋』の舞台です」と大々的な広報を行っている。
ドラマに特定の商品を露出させるPPL(Product Placement)が溢れる中、今回のように最近では特定の企業が商品ではなく、ドラマの舞台そのものとして間接広告の効果を狙うケースが増えている。
ドラマの規模拡大に伴った動きであるという分析と共に、「国民の財産である電波を特定企業の広告に使っても構わないのか?」という批判もなされている。
『皇太子の初恋』は全体の約60%が「クラブメッド」のリゾートを舞台にして撮影を行う。助演出のファン・ヒョクディレクターは「スーパーで『制作協賛クラブメッド』と入れる予定だが、放送委員会の審議を考慮して同社のロゴなどの直接的な広告は避けるようにしている。シナリオ作家の意見で今回の協賛が決定した」と説明した。
SBSの週末ドラマ『パリの恋人』の第1話から3話に登場する背景はフランス・パリのとある高級マンション。実際にはソウル市・三成(サムソン)洞にある「オークウッドプレミアCOEXセンター」で撮影が行われた。
「オークウッドプレミア」も同様にドラマの舞台として使用されたという報道資料を発表していち早く広報を行った。
同社の広報担当を務めるイム・プルメさんは「非常に美しい場所なので、視聴率が上がれば必ず話題になるでしょう。今回は制作者サイドからの要請で行われましたが、今後は制作が予定されている映画やドラマにこちらから積極的なアプローチを行っていきます」と語った。
今年2月に終了したSBSドラマ『天国の階段』の舞台になった遊園地「ロッテワールド」は視聴率40%を記録したドラマ人気の恩恵をたっぷりと受けたが、あまりにも多い間接広告で放送委員会からの警告を受けた。
専門家らはこうした流れについて懸念の声を高めている。まず、スポンサーの間接広告に気を取られてドラマ本来のストーリーが崩れ、完成度や作品性の低下につながる可能性があると指摘している。
また、韓国放送広告公社を通じて正当な額を支払って公共の電波にCMを流している企業がいる一方で、ドラマの舞台そのものを間接広告として使うことは一種の不当競争に当たるとも批判している。
放送委員会側はドラマで露骨にスポンサー広告を流す意図が含まれている場合は制裁を加えるが、明確な基準を設けるのは容易にではないという立場を取っている。
放送委員会審議1部のナ・ヒョンジュン専任調査官は「外部の制作会社がドラマを制作する過程で不足した制作費を補うために間接広告を取り入れる場合が多いが、最近では企業側が積極的な姿勢を見せている。
正当な対価を支払わずに公共の電波を私有化するなど、多くの点で問題があるが、一方的に禁止させることもできずに困惑している」と説明した。