テクノテイストな9thをリリースした李鉉雨

 李鉉雨(イ・ヒョヌ)が9枚目のアルバム『Sinful Seduction』をリリースした。ラジオ番組のパーソナリティーを務め、タレントとしてバラエティー番組に登場し、秋にはスクリーンデビューもするという。そんな多忙の李鉉雨が、いつの間にかニューアルバムを完成させた。まさに才能以外の何物でもない。

 「近頃は他の分野のことをしながら緊張感を楽しんでいます。それでもアルバムを出さないと『本業で売れないから他のことをやっている』なんて言われないかとS配で時間を割いて何とか完成させました」

 ニューアルバムは前作『鎮痛剤』に続いてテクノ一色に染まった李鉉雨の音楽性がそのまま現れている。前作と同様にDJ Fractalが多くの曲をアレンジしてキーボード、プログラミング、スクラッチングを担当した。

 レコーディングは最後まで入念に行われ、細かく刻まれるコンピューターサウンドの複雑な混合は李鉉雨が歌手からプロデューサーの道へ歩んでいることを感じさせる。

 ブレスが短く、オクターブが相対的に狭い李鉉雨が、自分の欠点をカバーしながらミュージシャンとしての地位を築いているのではと思わせるほどだ。

 リードトラックの『止まらないでください』は、80年代の初めに華麗なデビューを飾ったロックバンド「ムーダン」が歌った曲。80年代のメタルサウンドを感じさせるエレキギターが印象的だ。

 DJ Fractalの攻撃的なスクラッチやサンタナを彷彿とさせるハム・チュノのロックギターが強烈な『マイ・ダイアナ』は李鉉雨の歌声が際立っており、彼の作曲センスを十分に堪能できる。

 『今日は行かないで』は最近、韓国でも増えてきたラウンジミュージックの雰囲気をふんだんに漂わせている。単調に続くビート(コンピューターサウンド)は、甘い歌詞とメロディーが融合して洗練された印象を与える。

 李鉉雨は近日中にも自身がプログラミングを手がけたアルバムをリリース予定だ。アルバムには4曲のリミックスバージョンが収録されている。

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)記者 hwhan@chosun.com
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