映画『僕の彼女を紹介します』の郭在容監督

 30代初めの監督が忠武路(チュンムロ/韓国映画の中心地)を席巻する中、40代も半ばの監督が、それも新世代の感性を刺激する映画で評価を高めている現象は確かに異例だ。

 『猟奇的な彼女』、『クラシック』(日本タイトル『ラブストーリー』)で遅咲きの全盛期を謳歌している郭在容(クァク・ジェヨン)監督(45)は、新作『僕の彼女を紹介します』(アイフィルム制作)を3日公開した。

 『グリーン・デスティニー』『HERO』のプロデューサーとして知られるビル・コンが代表を務める香港の「edk oフィルム」が制作費の350万ドルを全額投資し、韓国と香港での同時公開に続いて中国をはじめ東南アジア各国でも順次公開される予定だ。

 郭在容監督は、これまでの苦労を感じさせる緊張した面持ちで話した。

 「初めはアジア市場を意識しなければならないというプレッシャーを持たないようにしました。実際に撮影や編集の時も私自身がプレッシャーを感じていないと思っていました。ところが試写会の前日に一人でフィルムを回してみると自分でも知らずうちに海外の観客も意識して映画を作ったんだと実感しました。それでもやっぱり私は韓国映画を作る人間で、韓国で支持される映画こそが海外でも支持されると思います」

 郭在容監督は1989年に『雨降る日の水彩画』で文字通り水彩画のような映像美と新世代的な感覚を誇示した。しかし、93年の『雨降る日の水彩画2』以降はしばらく忠武路から影が薄れていた。

 その後、2001年に『猟奇的な彼女』で華麗なカムバックを果し、2003年にも『クラシック』で韓国的ラブコメディーの典型を提示したという評価を受けた。『僕の彼女を紹介します』もやはりこの延長線上にある。

 正義感に溢れる女性警官と淳朴な女子高教師のロマンスを中心にコメディーとラブストーリーの要素を交互に並べ、美しい映像とファンタジーな雰囲気で包み込んでいる。

 「私が少し欲張りなようです。映画を撮る度にいつもこれが最後だと思って何でもかんでも詰め込もうとしてしまいます。それが私のスタイルになったようです。だからでしょうか、観客も『あの監督は笑わせたと思ったら泣かせる』とか、逆に『悲しませたと思ったら突然笑わせる』って期待するようです。今回の映画でもそんな声がたくさん聞かれるでしょう」

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース