今となっては歌手とタレントの兼業は目新しいことではない。テレビをつければイ・ヒョヌ、シン・ソンウ、エリックといった歌手がドラマの主演として活躍する姿を簡単に見ることができる。
女性4人組グループ「ピンクル」のメンバー、成宥利(ソン・ユリ)は早くからそうした流れに乗って人々の記憶から昔のイメージを消しつつある芸能人の一人だ。
人々は彼女を見て「南夫余(プヨ)の姫、プヨジュ」を思い浮かべる。昨年に放送されたSBSドラマ『千年之愛』ナ成宥利は、独特の姫言葉を流行させて女優としての地位を不動のものにした。
そんな成宥利が来月からスタートするMBCテレビのドラマ『皇太子の初恋』で再びヒロインのユビンを演じる。今作の出演で早くも『悪い女逹』『莫上莫下』『千年之愛』に続いてドラマ出演4作目となる。
「明るくて元気でパワフルな役です。あまりにも分かりやすいキャラクターですって?ところがそれが私にとっては都合がいいことなのです。今までは軍人(『莫上莫下』)やお姫様(『千年之愛』)みたいな一生に一回演じるかどうかという役ばかりでしたが、今回やっと私の普段の姿をそのまま見せることができるキャラクターを演じることになって満足しています」
ユビンはリゾート企業に勤める普通の女性だが、この企業の社長の息子と大企業の青年幹部から同時にアプローチされて非凡な日常を送ることになる。二人の男性が同時に一人の女性を好きになるという設定のため、ドラマのフォーカスは自然と成宥利に向けられる。
「意外にも今までにドラマで大人しい役を演じたことがなかったんです。過去に演じた役で私のイメージが随分と変わりましたが、映画に出るならば純愛ものをやってみたいです」
このドラマは海外の有名リゾート地を背景にした内容が全体の半分ほどを占める。リゾート専門企業の「クラブメッド」が撮影地を提供し、俳優たちはその施設内で演技をすることになる。
「もう一人前の女優になったと思うか?」と問うと、右手で額を拭う彼女の口から控え目なこんな答えが返ってきた。
「私が見ても誰が見ても名実共に女優として認められなければいけませんが、まだまだのようです。司会や歌手も面白いですが、ドラマは常に新しいことに挑戦するという感じがして魅力があります。
今以上に一生懸命やるだけです」