今年のカンヌ国際映画祭に韓国映画の風が吹いている。
ティエリー・フレモー同映画祭執行委員長の支持に加え、審査委員長の米国監督クエンティン・タランティーノ氏が関心を示し、早くから期待を集めた『オールド・ボーイ』は14日(韓国時間)、1000席規模の劇場で行われた初の記者試写会で完売を記録した。
この作品は映画祭期間中最高の時間帯ともいえる土曜夜にメーン会場の劇場ルミエールで上映会を行ったほど主催側から厚遇された。
外国人記者の反応ヘ賛否両論だったが、インパクトの強さを立証するように「衝撃的」という感想は共通していた。米国の代表的な映画誌『バラエティ』は「前作の『復讐者に憐れみを』には及ばない」としながらも「撮影から美術まで、技術的な側面ではハイレベルにあり、編集も迫真に迫った」と評価した。
映画祭とともに開催されているフィルムマーケットでも韓国映画に対する関心は高い。配給会社別に計7つのブースを置いた韓国映画は、例年に比べると沈滞した感のある今年のカンヌマーケットの中でも高い関心を集めている。
これはまだ完成していない作品が販売されるケースが急増している点に端的に現れている。
ショーボックスのチョン・テヨン常務は「ホラー映画『霊』の場合、すでに制作費の70%をカンヌでの事前販売契約を通じて回収した」とし、「韓国で制作されたホラー映画というだけでこれだけの威力があることに驚いている」と話した。
カンヌで発行されている映画雑誌は連日、韓国映画特集を組んでいる。昨年53%を記録した韓国映画の市場占有率や、今年初めの『実尾島』(日本タイトル『シルミド/SILMIDO』)、『太極旗を翻して』(日本タイトル『ブラザーフット』)の大成功、忠武路(チュンムロ/韓国映画の中心地)の映画産業の分析などが主な内容だ。
フランス紙ル・モンドはカンヌ特集ページで洪尚秀(ホン・サンス)監督の作品世界の解説を中心に、韓国映画のために紙面1面を割き、米映画誌『ハリウッド・リポーター』のカンヌ特別版は15日付けで韓国での芸術映画の状況を扱った4ページの特集を組んだ。