ドラマ『張吉山』で初の時代劇に挑むハン・ゴウン

 初めはとんでもないと思った。都会的なイメージですっかり定着したスマートな女優が『張吉山』のミョオクを演じるなんて。

 しかし、ハン・ゴウンに直接会って話をして受けた印象は「とりあえずは17日午後9時55分からスタートするSBSテレビの大河ドラマ『張吉山』の第1回目を見てから判断しよう」というものだった。

 「信じてもらえないかも知れませんが、時代劇に出てみたかったんです。ところが誰も私に声を掛けてくれませんでした。もちろん本当に演じ切れるのかという心配はあります。でも出演が決まってからは私の固定されたイメージを壊す機会だと思うことにしたんです。どうなるか分かりませんが、ともかく挑戦することにしました」

 本人が「挑戦」と言うように、一般の視聴者にハン・ゴウンが時代劇に出展する姿は見慣れないかも知れない。しかし、薄緑色をしたチョゴリに朱色のチマ姿のミョオクは、撮影現場で他の出演者たちによく溶け込んでいた。

 忠清(チュンチョン)南道・泰安(テアン)にある『張吉山』のセットで上棟式も行われたこの日、ハン・ゴウンは長いストレートの髪を結ったまま忙しく準備をしていた。

 「まったくこのカツラだけで10キロにもなるんですよ。『大長今』のヨンセンを演じたパク・ウネさんに会った時、カツラの重さで円形脱毛になってしまった部分を見せて脅かすんですよ。『張吉山』の中で髪を剃るシーンもあるというのに、その前に髪の毛がすべて抜けてしまいそうです」

 ユーモアを交えながら話すハン・ゴウンの姿からは余裕が感じられる。

 実際にSBSが今回のドラマにかける期待は大きい。数年前に版権を購入した黄皙暎(ファン・ソギョン)原作のベストセラーをついにドラマ化し、『野人時代』をヒットさせた張亨一(チャン・ヒョンイル)が演出を務め、『五男妹』などを手がけたイ・ヒウ作家など、いわゆる「ドリームチーム」の面々が演出するためだ。

 主人公の張吉山(チャン・ギルサン)を演じる劉五性(ユ・オソン)に対する関心も特別だが、ヒロインのミョオクに対する関心は誰よりも高い。ミョオクという人物について説明してほしいと頼むと彼女は澄んだ声で語りだした。

 「ミョオクは張吉山の初恋の相手です。ミョオクにとっても張吉山は初恋の相手です。そしてミョオクは悲運の女性でもあります。両親の無実の罪に対する恨み、そして吉山に叶わない恋をして…結局は恋を叶えることができずに俗世を離れるという役です」

 すると間髪いれずに彼女は「私の前世は妓生だったような気がします」と言い出した。「以前は女性にできることは限られていると思っていましたが、妓生は少し違うと感じました。学問や芸術でも美しさを持った存在で、世の中を男性が支配していた時代に男性を“支配”していた存在が妓生だったのです。そんなことを考えながら今回の役をやってみたくなりました」

 ハン・ゴウンは「最低でもしっかりと浮かずに役に入り込めると思います」と力を込めて語った。

魚秀雄(オ・スウン)記者 jan10@chosun.com
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