憧れのドラマ『人間市場』に出演したキム・ソヨン

 SBSテレビの月火ドラマ『2004人間市場』にセクシーかつ冷淡なロビイストのホン・シヨン役で出演中の女優、キム・ソヨン(24)。ドラマで漂わせている緻密で冷たいイメージとは異なり、彼女はさばさばとしていてムードメーカー的な意外とおっちょこちょいな女性だ。

 『2004人間市場』への出演の経緯を振り返ってもそうだ。このドラマのキャスティングが最終段階に差し掛かった昨年の12月中旬頃、韓流スターである彼女は台湾のテレビ局から出演のオファーを受けていた。しかも約40億ウォンという巨額の出演料まで提示され、当然のごとくすっかり出演する気だった。

 ところが偶然にも国内の新聞で『2004人間市場』のドラマが制作されるというニュースに接してからは完全に考えが変わった。中学生でデビューした彼女が10代の頃から最も出演してみたかった1986年にパク・サンウォンと朴順天(パク・スンチョン)が出演した『人間市場』をビデオで見て演技とは何かを学んだためだった。

 所属事務所の関係者たちでさえ「主要な役はすべて決まっているはずだが…」と首を横に振ったが、彼女は決してあきらめなかった。すぐさま作家と演出者に会いに行ったが、思いがけない言葉を聞いた。「キム・ソヨンさんをキャスティングしようと初めから考えていたが、台湾のドラマに出演すると聞いていたから連絡しなかった」

 こうして原作にも、86年版のドラマにもないホン・シヨンというキャラクターが誕生した。彼女のための特別な設定だった。ドラマの完成度と関心を高めようとする制作陣の意図とキム・ソヨンの演じたいという意欲が噛み合ったからこそ可能なことだった。

 「デビュー10年目にして演じるという楽しさをしみじみと感じています。一日一日がとても楽しいです」

 『2004人間市場』が10%程度の低視聴率から脱することができずにいながらも、キム・ソヨンが満足そうなのはある意味当然かも知れない。

 「中国で1年間の活動を終えて帰国後初めての出演作が『2004人間市場』だったのですが、ロケ後に私自身の演技を見直すと以前とは違うような気がします。何か重いような気がすると言うか…やっぱり年のせいでしょうか」

 しかし、デビュー10年目を迎えて開花した女優にも惜しまれる点はある。男性主人公とのリアルなラブストーリーを演出できなかったという点だ。チャン・チョンチャン(キム・サンギョン扮す)とも、ギハ(金相中(キム・サンジュン)扮す)とも愛を叶えることができず、卑しい人物のムンサン(イ・ジョンギル扮す)とのベッドシーン、ギハとの軽いキスシーンがすべてだ。

 5月からキム・ソヨンは歌手に変身する。中国で撮影したドラマ『美しい蝶』のサウンドトラックで同名タイトルの曲をアルバムリリースする。

 「私ってけっこう歌が上手なんですよ。漫画を読んだりカラオケに行ったりプロバスケを観るのが私の趣味だなんてご存知ないですよね。必ずヒットしてみせますよ」

 彼女は幸運を待つというよりは積極的に自分から探しに出るタイプのようだ。

『スポーツ朝鮮/ソン・チェス記者 manscs@sportschosun.com 』

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