「少女に戻ったように楽しくていまだに興奮しています」
「初めての出会い」「ファーストキス」「初恋」など、「初めて」という言葉にはときめきや期待の意味が込められている。
そのためだろうか、先週公開された映画『風の伝説』(パク・ジョンウ監督/フィルムマニア制作)を通じてスクリーンデビューしたパク・ソルミ(26)は、まだ大きなスクリーンに映る自分の姿がぎこちないと言う。映画は初めてだからか期待に胸躍って楽しいという。
日常がマンネリ化した女刑事のソン・ヨンファ役を演じるパク・ソルミは、“ダンスフロアーの伝説”と呼ばれるパク・プンシク(李誠宰(イ・ソンジェ)扮す)の詐欺行為を暴くために彼を追跡するが、徐々に彼の魅力に惹かれるようになって“ダンシングクイーン”に生まれ変わる。
しかし、映画の撮影は決して楽なものではなかった。高校時代にダンスグループのメンバーとして歌手デビューを準備し、大学(祥明(サンミョン)大学演劇映画学科)進学後にはバレーやジャズダンスなどを学んだが、ダンススポーツは初めてのため非常に苦労した。
「足首のじん帯が伸びる程度は当たり前のことでした。3カ月間に一日7~8時間も高いかかとのダンスシューズを履いてダンスの練習をしたので、足自体がすっかりシューズに慣れてしまったようです。なので今でも普通のシューズを履いても足が痛いほどなんですよ(笑)」
厳しいレッスンのお陰でジャイブとワルツに関しては、プロが見ても遜色のないレベルのダンスをスクリーンで披露している。映画でプンシクがジヨン(ムン・ジョンヒ扮す)と一緒に踊った愛のルンバがとても羨ましく見え、最近では情熱のサンバのリズムに合わせてダンスしたいと言う。
「最初は正直言ってダンススポーツに偏見を持っていたのが事実です。でも、ダンスをすればするほどにその魅力とパワーにすっかり魅せられて今では完全なファンになりました」
聴きなれたオールドポップスやドラマチックな要素があるためか、特に中高年の観客や20代後半のカップル、夫婦で映画館を訪れる観客が多い今回のスクリーンデビュー作についてパク・ソルミは「インパクトのある映画なので、大ヒットしてくれるでしょう」と自信満々だ。
スクリーンデビューを無難に飾るための役を演じるというよりは幅広い役を演じたいと思うパク・ソルミは、美しく裕福な家庭の娘役というイメージから自らも脱したいという気持ちも強かった。
「こういう難しい時だからこそ、すべてのものを忘れて春の風に吹かれながら私と一緒にダンスしませんか?」
パク・ソルミの誘いの言葉は、思わず応えてしまうほどに甘く、さわやかだ。
『スポーツ朝鮮/ナム・ジョンソク記者 bluesky@sportschosun.com 』