梁東根主演の新タイプのコメディー映画『最後の狼』

 新人監督ク・ジャフンの『最後の狼』(4月1日公開)は、最近の忠武路(チュンムロ/韓国映画の中心地)で流行っているようなコメディー映画とは別格だ。他の映画が先を争うように強引で刺激的に笑わせようとしているのに対して『最後の狼』は、非常にスローテンポで丁寧な笑いを提供しようとする。公開前の試写会で制作関係者は「私たちの映画は罵倒もなければ大便も登場しない」と強調した。

 映画は2人の警察官が主人公だが、テンポヌく展開する『リーサル・ウェポン』のような刑事バディ・ムービーとは裏腹だ。鳥が鳴くのどかな江原(カンウォン)道の山里を舞台にして、ゆっくりとした時間が前半の雰囲気を覆う。ストーリーは単純だ。

 ヤクザとの争いなどには懲り懲りの都会の刑事、チェ・チョルグォン(梁東根(ヤン・ドングン)扮す)が物静かな犯罪のない村に志願して行くと、そこは楽園だった。ところが事件があまりにもないために交番が閉鎖される危機に置かれると、ソウルに憧れていた警察官のコ・ジョンシク(ファン・ジョンミン扮す)はラッキーと思うが、山里のゆっくりとした時間をずっと楽しみたいチェ刑事は犯罪をわざと作ってまでして交番を守ろうとする。


 チェ刑事は1点10ウォンの花札の場に乗り込んでまでして賭博罪で捕まえようとするといったさまざまな騒動を起こす。しかし、本当の笑いはその状況自体よりもキャラクターの個性的な行動から生まれる。

 本来ない事件を作ろうとしていたチェ刑事が村の泉に農薬を混ぜて一騒動を起こせば自然と口元は緩むが、これを見ていたこの村の警察官が江原道方言でまくし立てた瞬間に客席はどっと沸き返る。観客の機嫌を伺う代わりに監督自身が面白いと思ったことを扱い、狼に象徴される原始的な生命力に対する夢の裾を広げた堅実さがこの映画の美徳といえる。

 しかし、個性的なキャラクターを前面に推し進める代わりに後半からは、文化財の窃盗犯団と争う平凡なアクションコメディーに一転する。監督は一つ一つのコミカルなエピソードをもたらすことで才能を見せるが、その才能を適切なテンポと流れを通じて一本の映画で表現することでは未熟さを見せた。

 それだけに『最後の狼』は新しい笑いスタイルを提供したが、それを開花させることができない映画に止まってしまった。

金明煥(キム・ミョンファン)記者 wine813@chosun.com
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